登山地図アプリ「YAMAP」を提供するヤマップは“非常識”な顧客サポートを武器に急成長している。今回は、ヤマップがユーザーとのつながりによって生み出した「良き場」について、その詳細を解説する。

ヤマップが実現している「良き場」を生み出すループ
ヤマップが実現している「良き場」を生み出すループ

 ヤマップの取り組みは、Engagement 4PにおけるPlaceとEngagementとの関係性を、実践しているといえる。ヤマップは「場」として、オンライン上のWebサイトとアプリだけでなく、電話というオフラインを含めたカスタマーサポートを核に据えた。このことがヤマップとユーザーとのEngagementを生み出し、そしてそれが「YAMAPPERによるオフ会」という新たな場を生み出すことにつながったのだ。そしてさらには、このオフ会で出合ったユーザー同士がオンラインでつながり、ともに山に登り、今度はユーザー同士のEngagementを生み出していったのである。

 つまり、「良き場がつながりを生み、つながりが良き場を生む」という循環、「Engagement Loop」を生み出しているのだ。

「顧客行動データ」こそがヤマップの強み

 顧客との強力なつながりがあるからこそ、ヤマップはWebサイト、アプリ、カスタマーサポート、オフ会などのリッチな「場」を通して、他社にはない登山に関する「行動データ」を知ることができる。

 注目すべきは、登山前・登山中・登山後という、いわば「登山における顧客時間」のすべてに関与していることである。登山前の情報検索や、登山中の移動情報、さらに事後に「どのような山の情報をアップしたのか」「次にどのような登山を計画しているのか」まで、個人IDにひも付けて理解することができる。これがヤマップの強みだ。

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