パナソニックでは、新しい「働き方」改革が進行している。単なる時短や業務効率が狙いではない。組織の壁を越え、部門を横串にした自由な行動こそが、新しい商品を創造できる可能性につながるからだ。しかも社内だけではなく、社外とも積極的にコミュニティーを作ろうとしているのが、従来との大きな違いだ。

「ゲームチェンジャー・カタパルト」が主催するビジネスコンテストの風景(コンテストやワークショップの写真は2017年に開催したもの)。ここからSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)への出展につながったプロジェクトも多い
「ゲームチェンジャー・カタパルト」が主催するビジネスコンテストの風景(コンテストやワークショップの写真は2017年に開催したもの)。ここからSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)への出展につながったプロジェクトも多い

 2018年6月下旬、パナソニック アプライアンス社(以下、パナソニック)は多くの社員を集めた社内イベントを開催した。社員が自ら新しい商品や事業のアイデアを社内にプレゼンテーションするという「ビジネスコンテスト」だ。社員といっても、日ごろから新規の商品や事業の開発に取り組む部門のメンバーではない。プレゼンするのは、一般の事業部門に在籍する普通の社員たち。しかも、必ずしも最先端技術の専門家でもない。

 これは新規事業創出やプロジェクトをリードする人材育成を目的としたパナソニックの取り組み「Game Changer Catapult」(ゲームチェンジャー・カタパルト:以下GCC)が主催するイベントだ。見込みがあると判断されれば、開発を本格化させる。プロトタイプによる検証も続け、事業化への道筋を探っていく。

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