広告業界の専門誌『ブレーン』の年間グランプリ優勝を獲得するなど、ハズキルーペのCMはHazuki Company会長の松村謙三氏が自ら「総監督」を務めて大躍進を果たした。武井咲を起用した第2弾CMの裏側や松村氏の広告業界への提言などを紹介していく。

ドラマ『黒革の手帖』の世界観を踏襲した第2弾は、武井咲の産後復帰第1作として話題に
ドラマ『黒革の手帖』の世界観を踏襲した第2弾は、武井咲の産後復帰第1作として話題に

武井咲起用の狙いは、若年層へのターゲット拡大

 2018年10月から放送され、同月の作品別好感度ランキングでは、au、ソフトバンク、NTTドコモの通信大手3社を押さえて全4135作品中1位となった武井咲出演CM。この10年は通信大手3社が作品別好感度ランキングの1位の常連だったが、ハズキルーペが1位になり、階層別ランキングでも20代、30代、50代、60代以上で人気ランキング1位となった。武井の起用は、第1弾の渡辺謙と菊川怜編の前から考えていたという。

 「初代キャラクターに石坂浩二さんを起用した時、石坂さんは68歳。その時、一番商品を買ってくれたのが50代の女性で、次が60代女性、次が60代男性でした。それから石坂さんで7年広告を続けたら購買層の中心が70代になって、ルーペ=老眼鏡というイメージが強まったんです。でもルーペは、大きく見えるだけだから年齢を問わない。キャスティングの年齢を下げて、世代を問わずに使えることを訴求したいと思っていました。

 そんな時にドラマ『黒革の手帖』を見てファンになったのが、武井咲さんです。実は前にもオファーをしたのですが、ちょうど妊娠報道が出てダメだったんですよ。電通さんから再びCM出演の可能性を探る意味で『復帰はいつごろになりますか?』と確認してもらったところ、(所属事務所の)オスカープロモーションさんから思わぬ返事が来ました。『ハズキルーペならOKです。しかも復帰第1号になります!』と」(松村氏)

 そこで企画したのが、『黒革の手帖』をモデルにしたCMだ。

 「『誰が見ても『黒革の手帖』だと分かるようなCMにしたい。そうじゃないと意味がない』と代理店に言ったんです。そうしたら『テレビ朝日のコンテンツだから無理。作れたとしても他局では流れない。第一、失敗するとイメージが壊れるから、普通は武井さんの事務所がOKしません』と反対されました。でも言ってみないと分からない。『松村がどうしても使いたいと言っている』と話してもらったら、オスカープロモーションさんのOKが出て、テレビ朝日の許可も取れたんです。オスカープロモーションの古賀誠一社長が武井さんの出演を快諾してくれたうえに、社長自らテレビ朝日の会長を説得して了解を取ってくれたのです。あり得ない話です。感謝しかありません。武井さんの復帰第1弾にルーペを選んでくれるのか! と、さすがに僕でも驚きました。

 『黒革の手帖』がOKとなると、昨日までみんな『絶対にできない』と言っていたのに、180度、態度が変わりましたね。『松村さんにしかできませんね!』って(笑)」(松村氏)

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