斎藤工が「Z」の仮面を付けた「ゼックウチョウ」を演じる、ヒノキヤグループ「Z空調」のCM。シリーズ3年目の「雪だるま編」が、CM総合研究所発表の銘柄別CM好感度トップ10に初ランクイン(1月前期)。企業・公共業類では1位に輝いた。前回に続き、今回は企画・統括を手掛けたクリエイターを紹介する。
開発中の商品を体験してから企画がスタート
1988年創業のヒノキヤグループ(旧桧家ホールディングス)は、注文住宅事業を軸に、断熱材、リフォーム事業などを成功させ、2018年に東証1部に上場した成長企業だ。「Z空調」は、ヒノキヤグループが16年12月に販売を開始した全館空調システム。建物の断熱・気密をヒノキヤグループ、空調をダイキン、換気を協立エアテックと3社が手を組んだコラボ商品で、天井ビルトインエアコンを2台設置して家中を快適な温度に保つ。
「エコ住宅を積み上げてきたヒノキヤグループの1つの集大成のような商品。その良さを知ってもらった方が制作物に気持ちが伝わると思いましたので、商品化のめどが立った16年2月に、長野県佐久市にある実験棟に代理店のみなさんを招待しました」(ヒノキヤグループ取締役・マーケティング部長の荒木伸介氏)
体験ツアーに参加した電通グループのコミュニケーションプランナー・吉野万里雄氏は、当時をこう振り返る。
「寒い時期だったのですが、モデルルームみたいな一軒家のドアを開けた瞬間に玄関から暖かく、しかも各部屋にエアコンを入れるより電気代が抑えられると聞きました。ヒノキヤさんには、1年中、家を快適にすることで日本の暮らしを変えていきたいというご意志があって。そんなヒノキヤさんの存在を、商品が際立たせる──そんな広告にしたいと思いました」
オファーは、商品のネーミングを含めたCM展開案。体験ツアーにともに参加した先輩クリエイター・安永貴氏(あん・えいき)とともに企画を始めた。
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