※日経エンタテインメント! 2019年3月号の記事を再構成
干焼蝦仁(カンシャオシャーレン)を作る竹内涼真の後ろで、妹役の浜辺美波と幼い兄弟3人が「♪ABCから、Cを取ったらエービッ!」と盛り上がる。大皿に盛り、家族みんなで食べ始めると、またたく間に完食。再び「♪ABCから~」と合唱が始まる…。味の素の中華合わせ調味料「Cook Do(クックドゥ)」のCMだ。
クックドゥは、2011年から「食欲全開」シリーズを展開して人気を博したが、18年に出演タレントと設定を一新した。
「『食欲全開』シリーズは、山口智充さんと杉咲花さんにおいしそうに食べてもらうことでセールス低迷を打破しました。しかし14年から売り上げが頭打ちになり、原因を分析したんです。そこで見えたのは、冷凍食品や中食など、簡便に食卓の主役となる別の選択肢が増えていること。今一度『中華ならでは』の部分をしっかりCMで伝えないといけないと思いました」(味の素広告部の原口智氏)。
ともに課題解決に当たったのは、佐藤由紀夫氏。「食欲全開」を立ち上げてヒットに導いた、電通のクリエーティブディレクターだ。
「中華の本質を再考して思ったのは、大人数で食べたほうがうまいということ。中華料理屋さんに行っても大勢で食べたほうがわいわい盛り上がりますし、いろんな料理が食べられますよね。そこで大家族という設定にして、料理はお兄ちゃんにやってもらおうと。親世代より若い人が作ったほうが勢いが出るし、男性が作ると簡単にできそうに見える良さもありました」。
長男役に竹内、長女役に浜辺とブレーク中の若手を起用し、18年2月から「中華が、家族を熱くする。」シリーズを開始。すぐに反響があり、初週の店頭回転率は前週比140%に。4月の販売量は前年比123%まで伸び、「過去最高の売り上げ」(原口氏)を記録した。
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