米国生まれの画像・動画検索ツール「Pinterest(ピンタレスト)」。日本国内の認知度向上のため、2021年5月から中条あやみを起用したテレビCMを展開した。その結果、国内の検索量が32%アップしたという。そこは米国の視点と日本のノウハウ、その両方を生かしたアプローチがあった。
雨の街を歩く、中条あやみ。ふとガラス窓を見ると、地味な服装で化粧っ気のない、さえない自分が映る。ため息をついた彼女は、スマートフォンを取り出し、「気分を 変える ヘアスタイル」と検索。次々に表れる画像の中から「ピンと来た!」と指を止めると、ピンクのショートヘアに大変身する……。米国生まれの画像・動画探索ツール「Pinterest」の「気分を変えるヘアスタイル」篇だ。
ピンタレスト・ジャパン(東京・渋谷)の舩越貴之氏は、「Pinterestは、ユーザーが興味・関心に合うアイデアを発見できる“ビジュアルディスカバリーエンジン”です。月間アクティブユーザーは4億人を超え、日本の方々にも便利に使っていただけるよう、機能やコンテンツの拡充に注力してきました。2022年前半には、広告ビジネスを拡大していくフェーズに入ります。このタイミングで、より多くの方々にPinterestを体験していただきたいと思い、テレビCMを含めた大々的なブランドキャンペーンを計画しました」と話す。
▼関連記事 「日本でPinterestが勢力拡大 検索の“伏兵”が広告事業を本格化」クリエイティブディレクターに起用したのは、ライザップ「回るビフォーアフター」シリーズや、森七菜出演の「オロナミンC」などをヒットさせてきた「BLUEとGREEN」の今永政雄氏。「僕は、Pinterestが好きで、愛用していたので、お仕事の話が来たときは本当にうれしかったです」と語る。
まずは第1弾として、21年5月から「インテリア」篇を放送。「最初の大きな課題は、認知。Pinterestは、感度の高いクリエイターやファッション業界の人たちには知られていましたが、今回は、より一般の方へ認知を拡大したいということでした。
そこでまずは、Pinterestと『ピンとくる』という言葉を掛けて『ピンとくるアイデアと出会うならPinterest』というキャッチフレーズを考え、『♪ピン ピン Pinterest』と歌い込む音楽を作りました。連呼型の曲はともすれば下品になってしまうので、アレンジで工夫しましたね。ストーリーは、Pinterestで発見したアイデアを採り入れて部屋のインテリアがすてきになっていくという、シンプルで分かりやすいものにしました」(今永氏)
タレントには、「20代後半から30代くらいのターゲットから絶大な支持を得ていて、リアルなPinterestユーザーでもあった」(今永氏)という中条あやみを起用。第1弾CMを放送すると、「国内での検索量が32%増加しました(Pinterest内部調査データ:2021年8月を20年の同時期と比較)。また、CM総合研究所(東京・千代田)の調査では、20年7月から21年6月の1年間でCMを開始した480社のうちで、最も高い好感度を獲得することができました」(舩越氏)。
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