※日経エンタテインメント! 2020年12月号の記事を再構成

夕暮れ時、ベランダにテントを張ってアウトドア気分を楽しむ親子。「チキンラーメン」を一緒に作るが、息子は卵を鍋に落とす際に黄身を割ってしまう。すると父親は「いやCM的には失敗だけど、食べれば一緒だからいいだろう」と優しく肯定する……。日清食品のチキンラーメンのCM「ベランピング」篇だ。

日清食品「チキンラーメン」のテレビCM「ベランピング」篇
日清食品「チキンラーメン」のテレビCM「ベランピング」篇

 2018年に発売60周年を迎えた「チキンラーメン」。テレビCMも、話題を集める作品が多い。

 「チキンラーメンのCMでは、『食べたい』『作ってみたい』という気持ちをいかにして起こさせるかを意識しています。今回は、小さなお子さまを持つご家族をターゲットに、お子さまがチキンラーメンを食べる原体験をCMを通じて作れないかと考えました」(日清食品ホールディングス宣伝部部長の米山慎一郎氏)

 この課題にともに挑んだのは、電通のクリエイティブディレクター、東畑幸多氏。1999年に電通に入社し、25年後の磯野家を実写で描いた江崎グリコ「OTONA GLICO」や九州新幹線全線開業「祝!九州」、宇多田ヒカルを起用した「サントリー天然水」、北野武や木村拓哉が戦国武将を演じたトヨタ自動車「ReBORN」、ONE OK ROCKと庵野秀明を起用したホンダ「GO,Vantage Point.」などを手掛けたCMディレクターだ。

 「おいしいものがあふれている今、チキンラーメンを食べても、子どもたちの原体験にはなかなかなりにくいと思うんです。日清食品さんから『キャンプで食べると、いつもよりおいしい』との提案をいただいたんですけど、『キャンプに行くのは面倒くさい』とも言われました(笑)。ベランピングは日清食品さんとの会議で出てきたキーワードなんです。家でテントを張るのは面白いねと」(東畑氏)

 こうして、ベランダでキャンプをするベランピングを楽しみながら、チキンラーメンを作る設定が生まれた。

 苦労したのはキャスティングだ。2013年から出演が続いていた新垣結衣に代わり、お笑い芸人のぺこぱが登場し世間を驚かせた。

「型」を守りつつ崩す

 「今回は親子という設定なので、新たな顔を探すことになりましたが、“ポストガッキー”は難しい課題。あらゆる案を考えましたが決まらず、日清食品さんから提案されたのがぺこぱさんでした。

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