2020年は出川哲朗をゲストに迎え、CM好感度トップ10入りを果たしたサントリー食品インターナショナルの「GREEN DA・KA・RA」。今回は発売当初から広告を担当し、CMソングの作詞作曲も行ったクリエイティブディレクター・赤松隆一郎氏を紹介。CMキャラクター「グリーンダカラちゃん」の誕生秘話にも迫る。

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曲でクリエイティブディレクションを行う

 「GREEN DA・KA・RA」は、日常生活で親しみのある素材を使用した新商品として2012年に発売された。グレープフルーツ、レモン、さとうきび、トマトなど11種類の天然素材を使用した水分補給飲料としてヒットし、現在は「やさしい麦茶」「ミルクと果実」「やさしいゼリー」など幅広い商品展開を行う。

 CMを発売当時から手掛けているのが、クリエイティブディレクターでプランナーの赤松隆一郎氏だ。

 赤松氏は愛媛県・松山市生まれ。大学時代にはプロを目指して音楽活動をしていた。卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)に入社。4年間の銀行員時代も音楽活動を続け、メジャーデビューが決まり退社するも、不運が重なり立ち消えに。そこで転職したのが、広告業界だった。

 1998年に電通西日本に入社してプランナーになった赤松氏は、2003年に愛媛県の「松平不動産」のCMでカンヌ国際広告祭のフィルム部門銀賞を受賞。ナイキやホンダと並んで地方CMが受賞したことで注目を集めた。

 同年、電通へ移籍。関西支社、本社CDCを経て、19年より電通デジタルに所属。21年1月よりフリーランスとして活動を開始した。近年の主な仕事に、井川遥出演のサントリー「角ハイボール」、上野樹里のダイワハウス「D-room」、二宮和也の「JCBカード」、吉高由里子の「J:COM」などがある。

 赤松氏は現在もアコースティックユニット「アンチモン」として音楽活動を行い、NHK『みんなのうた』に楽曲提供の経験もある。19年には和牛が歌うデュエットソング『疲れたら、愛媛。』を手掛けて、YouTubeの再生回数は140万回を突破。この『疲れたら、愛媛。』は、実は愛媛県の観光PR動画で、赤松氏がクリエイティブディレクションを担当したもの。企画から音楽、映像制作まで幅広く行うことができるのが強みといえる。

 その独自のスタイルが開花したのは、09年、土屋アンナ出演のauのCM「ガンガンメール」篇からだろう。ライブ会場で土屋が、ロックサウンドに乗せて「♪ガンガンメールしてもタダ!」と熱唱するものだった。

 「企画と同時に作詞作曲して、アレンジの原型もほぼ自分で作りました。放送したら、好感度が高くて、サービスもヒットしたんです。そこで『こういうやり方をしてもいいんだ』と感じてから、自分の手法の1つになりました。制作段階では、デモ音源を渡すことで、スタッフと世界観を共有できる。楽曲がそのままクリエイティブディレクションにつながるという良さもあります」

 CMソングは、ボイスレコーダーに鼻歌を吹き込む形で行うという。

 「15秒や30秒しかないので、CMソングは秒数との戦い。レコーダーは秒数が細かく表示されるから便利なんです。鼻歌で作るのは、子どもに口ずさんでもらえるような、覚えやすいものにするため。僕は普段は主に鍵盤で曲を作るんですが、それだと和音で補助してしまうので、メロディーが曖昧になるんです。コードの力を借りなくても、はっきりメロディーラインが分かるような作りにしなきゃいけないので、あえて楽器を持たずに作る。そうやって、『グリーンダカラちゃんの歌』も、フレーズとメロディーが一緒に出てきました」

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