デビューから5年、人気作に成長したゼスプリの「キウイブラザーズ」シリーズ。今回は『恋のマイアヒ』の替え歌で爆発的ヒットとなった2019年のデジタル施策や、20年の「好きなことを楽しみながら」篇の裏側、さらに「キャラクターCM」の利点などにスポットを当てる。

2019年の「みんなでアゲリシャス」篇では、「アゲリシャス バイト」と検索すると「踊るバイト」「食べるバイト」「拡散するバイト」など5つのバイトが登場する仕掛けも
2019年の「みんなでアゲリシャス」篇では、「アゲリシャス バイト」と検索すると「踊るバイト」「食べるバイト」「拡散するバイト」など5つのバイトが登場する仕掛けも

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 キウイブラザーズが「♪キウイ食って、アゲリシャス」と歌い踊る「アゲリシャスダンス」篇が2019年5月に放送されて好感度トップ10入り。同月、立て続けに放送されたのが「みんなでアゲリシャス」篇だ。

 これは「バイト代、払うから」と他の果物を誘い、みんなでアゲリシャスダンスを踊るというもの。最後の検索窓には「アゲリシャス バイト」とあり、検索すると「踊るバイト」「食べるバイト」「拡散するバイト」など5つのバイトが登場。また、キウイブラザーズが歌番組出場を目指して作成中の『恋のマイアヒ~ゼスプリキウイでアゲリシャス~』の未完成ミュージックビデオ(MV)も公開されていた。

 「『恋のマイアヒ』は2000年代前半、YouTubeが盛り上がり始めた頃の曲。みんなが自分バージョンのMVを作って投稿することで、1つのムーブメントを作り上げていました。同じように、今の視聴者のおもちゃになれるような仕組みを作って、一緒にMVを作る形にしたら、『恋のマイアヒ』を知る世代にも知らない世代にも楽しんでもらえるのではないかと思ったんです」(電通のクリエイティブディレクターの北田有一氏)

 この「アゲリシャスバイトキャンペーン」には1カ月で6万5000以上の応募があり、投稿された動画や画像を組み込んだ完成版MVを公開すると、YouTubeの関連動画再生回数は累計1000万回以上に。「Japan YouTube Ads Leaderboard」では19年上半期第1位に選ばれ、TBSテレビの音楽特番『音楽の日』への出場も果たした(AKB48とコラボ)。これらのデジタル施策効果もあり、CM好感度は年間総合15位と最高位を更新。売り上げは前年比112%を達成した。

大事なのは、何でも言い合える関係性

 そして20年は「好きなことを楽しみながら」篇を放送して、5、6月度の作品別好感度で1位を獲得する。

 企画段階で議論になったのは、キウイブラザーズがどんな健康法を試すかだったという。

 「最初は、突拍子もない健康法のほうが面白いかなと思ったんです。でも調査してみると、ユニークな健康法より、みんなが経験したことのあるランニングや筋トレのほうが理解も早いし、共感も深いと分かってきて。そこからはゼスプリさんと話し合いながら、王道の健康法をいろいろと探していきました」(北田氏)

2020年の「好きなことを楽しみながら」篇で話し合ったのは、どんな健康法を取り上げるかだったという
2020年の「好きなことを楽しみながら」篇で話し合ったのは、どんな健康法を取り上げるかだったという

 「最初に電通さんから提案された健康法には、水晶を抱くものや、鼻から酸素を入れるものなどもあって(笑)。

 そういうとき、『電通さんが言うなら』となりがちですけど、彼らは世の中でも非常に優秀でユニークな人たち。私たちの仕事は一般の消費者目線で判断することだと思うので、『直感的に思ったことをきちんと伝えて一緒に作り上げていくこと』をモットーにしています。そうすると健康法についても『知らない』とか『ヘン過ぎる』という意見が出たりする(笑)。そんなふうに、お互いに意見を言いながら、フェアな感じで仕事を進めていけているかなと思います」(ゼスプリ インターナショナル ジャパンの猪股可奈子氏)

 「本当にそうですね。ゼスプリさんからは毎回、最初にかなり難しいオリエンテーションをいただくんです。途中でも、難しいお戻しをいただくんですけど(笑)。それに対して、僕らもむちゃぶりを返すというか、普通のクライアントさんなら理解してもらえないようなアイデアを返すんです。

 例えば『ヘルシーを、やみつきに』という哲学的内容を訴求したいと言われたときは、『15秒じゃ難しい。60秒あればできますよ』と返しました。普通のクライアントさんなら『リーチ効率が下がる』と避けられるかと思いますが、ゼスプリさんは、ちゃんと議論していただける。そうやってお互いにむちゃぶりを言い合うことによって、最終的に新しい広告、消費者が受け入れてくれる広告ができているのかなと思います」(北田氏)

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