※日経エンタテインメント!2020年7月号の記事を再構成

新型コロナウイルスの感染拡大で、テレビCMも企画や撮影の方法の再考を余儀なくされた。そんな逆境の中でも、「元気をもらった」「鳥肌が立った」などの声とともに好評を博したのが、大塚製薬ポカリスエットのCM「ポカリNEO合唱」篇だ。

新ヒロインの汐谷友希と97人の学生が出演した「ポカリNEO合唱」篇。各自のスマートフォンを用意して“自撮り”してもらったという。また、汐谷や数人の出演者には最小限のスタッフが立ち会い、制作過程の記録を行った。その模様を収めたドキュメンタリーも公開している
新ヒロインの汐谷友希と97人の学生が出演した「ポカリNEO合唱」篇。各自のスマートフォンを用意して“自撮り”してもらったという。また、汐谷や数人の出演者には最小限のスタッフが立ち会い、制作過程の記録を行った。その模様を収めたドキュメンタリーも公開している

 制服姿の中高生たちが、部屋で“自撮り”をしながら歌い始める。「♪目覚まし、登校、ホームルーム! 今日、日直誰なの? トップニュース!」。ワイプ画面で次々と現れ、声を重ねていく中高生たち。最後はベランダなどに飛び出し、全員で「♪歌おう 僕らの歌!」と合唱して空を仰ぐ。

 新型コロナウイルスの影響で子どもたちが“巣ごもり生活”を余儀なくされていた4月から放送され、「元気をもらった」「鳥肌が立った」などの声がネットにあふれた、大塚製薬ポカリスエットのCM「ポカリNEO合唱」篇だ。

合唱から自撮り撮影へ変更

 ポカリスエットは、2016年から大勢の中高生が歌い踊るCMを展開して人気に。当時からクリエイティブディレクターとして参加していたなかよしデザイン(東京・渋谷)クリエイティブディレクターの正親篤(おおぎあつし)氏や、電通 統括クリエイティブディレクターの眞鍋亮平氏が、今回も企画・統括を担当した。

 「ダンスはある程度の技術を要するので、学生に参加してもらうにはハードルがあったんです。19年から大塚製薬さんと話し合いを進める中で、20年は誰もが体験したことがあり、より多くの人が参加できる“合唱”に挑戦しようという話になりました」(正親氏)

 まずは19年末にヒロインオーディションを行い、15歳の新人女優・汐谷友希に決定。当初は汐谷と約500人の学生が一堂に会して合唱する予定だったが、コロナの影響を受け、20年2月中旬に撮影中止を決めた。そこで急きょ、企画を再検討し、「3月上旬に、自撮りで撮影する企画へと変更しました」(正親氏)。

 汐谷以外の出演者は、当初予定していた500人の中から、「参加したい」と自主的に手を挙げた学生97人で構成。演出は、事前に動画を見てもらうことで行った。

 「本来であれば現場で直接伝えたかったことを動画にまとめて、あらかじめ見てもらいました。それによってCMの考え方や、撮影方法のお手本などを伝えてはいたのですが、基本的には出演者の自由な表現に任せました」(眞鍋氏)

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