「とろッピ~」篇でCM好感度のトップに立った雪印メグミルク「6Pチーズ」。過去2回では企画の裏側や、本作につながる同社の広告戦略などを説明した。今回は、CM撮影時の様子や放送後の反響などを詳しく紹介する。

雪印メグミルク「6Pチーズ『とろッピ~』」篇。かわいらしい笑顔とダンスを披露するのは、本保佳音。オーディションで選ばれた
雪印メグミルク「6Pチーズ『とろッピ~』」篇。かわいらしい笑顔とダンスを披露するのは、本保佳音。オーディションで選ばれた

 今回、CM撮影を託したのは、博報堂プロダクツのディレクター・小林佳弘氏だ。小林氏は、スズキ「遊べる軽、ハスラー!」で2015年のフジサンケイグループ広告大賞メディアミックス部門優秀賞を受賞。広瀬すず出演の富士フイルム「instax SQUARE SQ6」(18年)や、阿部寛が出演する光インターネットBBIQ(ビビック)の「BBIQ家の人々」(19年)などを手掛けている。

 「小林監督は本保佳音ちゃんの表情の良さを見抜いて、いろんな表情を撮ってくれました。特に力を入れていたのは、最後の決めポーズのときの表情。『う~、わー!』と監督自ら、撮影中に声を出して引き出してましたね(笑)。『う~、わー!』を一緒になって言ってくれていたのが、振付家の辻本知彦さん。今回は、不思議で気になる振り付けを追求していただいて、ほかのダンスCMとは違う、このCMならではのものになったと思います」(博報堂コピーライター・石下佳奈子氏)

 振り付けを担当した辻本氏は、米津玄師やRADWIMPSのミュージックビデオの振り付けで知られ、19年に日本レコード大賞を受賞作したFoorinの『パプリカ』も手掛けた、まさに旬のコレオグラファーだ。6PチーズCMでは、佳音ちゃんの独特の腰の動きやユニークな表情をダンスに生かして振り付け提案を行い、成功要因の1つとなった。

 ダンスとともに重要な要素だったのが、画面左側で商品を映した“シズルカット”だ。博報堂チームは、特にチーズのとろけ方にこだわった。

 「『とろっとろ』ではなく、『とろっ』で終わると一番おいしそうに見える。ただ、こればっかりは出来上がりをコントロールできないので、何度も撮り直して一番良い映像を使いました。あと今回は、指でつまんだ時にピュッと形を変えるカットを入れているんです。そこで『とろっ』で止まっている質感をシンボリックに見せられると思ったので、そのカットもこだわって、何回も撮り直しましたね」(博報堂クリエイティブディレクター・丸田昌哉氏)

 さらに、とろッピ~を家族で頬張るラストカットの表情にもこだわり、CM全体で「いかにおいしそうに見えるか」を追求している。その結果、放送後のCM好感要因ランキングの「商品にひかれた」で総合4位に。「出演者・キャラクター」や「ユーモラス」で3位に、「音楽・サウンド」で2位に、「心がなごむ」「かわいらしい」では1位に輝いている(19年11月度/CM総合研究所調べ)。

 「お客様センターに『何回も見たい。どの番組を録画したらいいですか?』という声をいただき、SNSにダンスをマネした動画がたくさん上がっていました。そこまで関心を持っていただいたことは弊社のCMではこれまでなかったので、うれしかったです」(雪印メグミルクの太田愛氏)

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