「ブックオフなのに本ねぇじゃーん!」とキレる天才子役の寺田心が話題を呼び、放送のたびに好感度トップ10入りしたブックオフコーポレーションのCM。今回は、本作に至る軌跡と、手掛けたティー・ワイ・オー(TYO、東京・渋谷)のクリエイターを紹介する。

ブックオフコーポレーションの「心を読める心くん」篇。TikTokでは、このCMをネタにしたキャンペーンを実施。オリジナル曲「本ねーじゃんファンク」に合わせて踊った動画を投稿した人の中から抽選で30名に「本ねーじゃん」Tシャツをプレゼントした。「視聴回数は1億を超えています。全TikTok動画の中で歴代1位になりました」(宮岡氏)
ブックオフコーポレーションの「心を読める心くん」篇。TikTokでは、このCMをネタにしたキャンペーンを実施。オリジナル曲「本ねーじゃんファンク」に合わせて踊った動画を投稿した人の中から抽選で30名に「本ねーじゃん」Tシャツをプレゼントした。「視聴回数は1億を超えています。全TikTok動画の中で歴代1位になりました」(宮岡氏)

 ブックオフは、1990年に神奈川県相模原市に直営1号店をオープン。翌年からフランチャイズチェーン展開を開始し、現在は国内外に803店舗(2019年11月時点)を構えている。取扱商品は、初期は中古の書籍やCD、DVD、ゲームなどがメインだったが、1996年から家電を、99年から子ども用品を扱うなど、幅広い商品のリユースを行ってきた。今では洋服やブランドもののバッグ、スマートフォンなども扱っている。

 「ずっと本だけで成長していくのは中長期的には難しいだろうということで、20年以上前からいろいろな商材にチャレンジしてきました。でも本のイメージが強すぎて、なかなか幅広い商品を扱っているという認知が上がらない。マーケティングリサーチを行うと、『昔流行ったブランド』『ちょっと古くさい』といった調査結果も出ていました。テレビCMも、『よむよむ君』というキャラクターと『♪本を売るならブックオフ』というサウンドロゴをメインに展開してきましたが、好感度スコアの上昇が見られなかった。『イメージを変えていかなきゃいけない』という経営課題があったところに、我々がマーケティング部に配属されたんです」(ブックオフコーポレーション マーケティング部長 千田竜也氏)

 千田氏はオンライン事業を手掛ける「ブックオフオンライン」から異動。もう1人の担当・宮岡直樹氏は広告代理店からの転職組だ。16年にチームを組んだ2人は、広告代理店を介することなく、制作プロダクションと直で取引を行うことを決める。その相手として選んだのが、広告制作会社大手として知られる「TYO」だ。

 「TYOさんには広告会社の機能もあって、クリエイティブの方もいれば営業の方もいる。間に代理店を入れる必要がないんです。それに、いろんな人を経由して話をするより、『こう思う』『こうしたい』とクリエイターと話せた方がいいと思ったんです」(宮岡氏)

 こうして携わるようになったのが、TYOのクリエイティブディレクター・松井一紘氏だ。

 松井氏は1987年、山口県生まれ。2012年にTYOに入社するとコピーライターとして配属され、16年にはヤングカンヌ日本選考フィルム部門でブロンズを受賞した。17年にはクリエイティブディレクターの肩書を得て、CMやウェブ、OOH(屋外広告)やネーミング開発など様々な領域に携わってきた。19年には「ブックオフ」で「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の総務大臣賞/ACCグランプリを受賞。最近は浜田雅功がいい人に変身するイノフィス「マッスルスーツEvery」、浜辺美波が明治、大正、昭和、平成、令和のキモノ美人を演じる「京都きもの友禅」、つるの剛士が店長を演じる「バイク王」、高橋一生が商店街でもらいものをしまくる「ホワイトエッセンス」などの広告を手掛けている。

TYO クリエイティブディレクター 松井一紘氏
TYO クリエイティブディレクター 松井一紘氏

CMは「等身大のスッポンポンで」

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