DA PUMPやヤバイTシャツ屋さんを起用したコラボシリーズで好調なリクルート住まいカンパニー「SUUMO(スーモ)」のCM。シリーズ誕生に至る経緯などに続き、今回はCMの狙いや注力した点、複数路線を並走させるCM展開などについて聞いた。
スーモのCMシリーズが始まったのは2009年。それから10年近くがたち、当時、賃貸領域のメインターゲットだった若年層は30代前後になって、売買領域のターゲットに成長した。こうした世代の入れ替わりを受け、改めて現在の若年層にスーモブランドを印象づけようと企画した新路線が、18年10月から放送しているDA PUMPとのコラボシリーズだ。
クリエイティブディレクターを務めるBORDERの横澤宏一郎氏は、「『U.S.A.』がリリースされ、ミュージックビデオ(MV)の動画再生回数が上がっていた」18年6月に、DA PUMPの起用をリクルート住まいカンパニーに提案した。ブレイク前夜での起用について、同社の横山浩美氏は、幅広い層に訴求できる可能性を感じたという。
「『U.S.A.』は、若い方を中心にはやり始めていましたが、90年代の初代DA PUMPさんを知る世代には懐かしさもあります。幅広い方々に印象に残していただけるかな、と思いました」(横山氏)
「スーモとDA PUMP編」で狙ったのは、『U.S.A.』のMVにスーモが入り込んだかのようなコラボ感だ。
「我々としては、『U.S.A.』と似たものを求めました。できれば『♪カモンベイビー アメリカ』の振付は入れつつ、最後はスーモならでの振付に昇華させたいと相談したところ、メンバーであり振付師のKENZOさんが40以上の振付案を出してくださって。その中に、手を使ってスーモのモフモフ感を表すポーズがあったので採用しました。
音楽は、『スーモマーチ』の歌詞をそのままに、DA PUMPさんの音楽チームに、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)アレンジにしていただけたらうれしい、とお伝えしました。もともと『スーモマーチ』はなごやかな曲。出来上がるまでは不安でしたが、上がったものを聴いたとき、『これはいける!』と思いました」(横山氏)
完成したCMを放送すると、10月度の銘柄別好感度ランキングで11位となり、スーモの最高位タイを記録した。好評を受けて作った第2弾が、DA PUMPとスーモが歌番組に出演する「歌番組編」だ。
「DA PUMPさんがMVのほかに歌う場はどこだろう、と考えたとき、思い出したのが『THE 夜もヒッパレ』などの歌番組。だったら、司会役で赤坂泰彦さんに出ていただくと面白い。その横にはアシスタント役の女性が欲しい、と小倉優香さん(女優)にお願いして。それから、ひな壇に出演アーティストが座っているイメージがあったので、いろんな歌手風の人やバンド風の人を配置しました(笑)」(横山氏)
この「歌番組編」を1月から放送すると、1月度の銘柄別好感度6位に。これらのDA PUMPコラボCMは「予想をはるかに超えた反響」(横山氏)だという。
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