※日経エンタテインメント! 2019年5月号の記事を再構成
歌番組で、MCの赤坂泰彦と小倉優香が「参りましょう! DA PUMP&スーモ!」と盛り上げると、「♪スーモ、スーモ、スモ、スモ~」と歌い踊るDA PUMPとスーモ。最後はISSAが「住まい探しは、スーモで検索!」とキメる…。リクルート「SUUMO」のCMだ。
SUUMOは不動産売買の「住宅情報」や賃貸向けの「フォレント」などを統合して2009年にスタートした不動産・住宅情報サイト。博報堂在籍時にオリジナルキャラクター「スーモ」を生み出し、現在までCMを手掛けるのは、クリエーティブディレクターの横澤宏一郎氏(BORDER)だ。
「最初の目標は認知の獲得。そのためにブランドカラーの緑で『スーモ』を作り、連呼型の『スーモマーチ』を作ってCMをスタートしました。当初は3年ほどかけて認知を高める予定でしたが、1年足らずで目標が達成できて。それからはスマホを持って部屋探しをするスーモや、タレントさんの肩に乗って、他の人の住まい探しを研究するスーモを表現することで、機能や利便性を伝えてきました」
初のタレント起用は浜野謙太。足立梨花らを経て、18年4月からは濱田岳を起用し、機能訴求CMを放送する。また、横澤氏が手掛けてはいないが、14年からは森川葵や上白石萌歌らが出演する「最後の上映会」シリーズも放送。こちらは、一人暮らしの女性が退去前日に思い出を振り返る物語で共感を誘う内容で、好評を得ている。
そんななか、18年にリクルートはCM調査を実施。「テレビ画面のキャラクター占有率が高いとブランドの想起につながりやすい」「スーモが俊敏に動いているシーンが視聴者の視線を集めている」といった報告があったことから、小型化が進んでいたスーモを人と同等サイズに戻し、タレントと共存させる方針に。
「例えば、スーモがダンスをすると新鮮味があるんじゃないかと思いました。そこで浮かんだのがDA PUMPさん。ちょうど18年6月に『U.S.A.』が出て、ミュージックビデオ(MV)の動画再生回数が上昇しているときだったので、あのMVの世界観をうまく取り込めないかと考えたんです」
10月からDA PUMPとスーモがEDM(electronic dance music)風「スーモマーチ」に乗せて歌い踊るMV風CMを放送すると、好感度が急上昇。10月度の銘柄別CM好感度ランキング(CM総合研究所発表)で11位に入った。さらに1月から冒頭の「歌番組編」を放送すると、19年1月度の銘柄別で6位に食い込んだ。
インパクトを狙った新路線
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