※日経トレンディ 2018年7月号の記事を再構成
「ファミリー向け」といえばミニバンばかりが売れていた自動車業界に、変化の芽が出てきた。2018年の新車登録台数ランキングのうち、新ブランドの乗用車でトップだったのは、マツダの「CX-8」。3列シートに大人が6〜7人乗れる、やや大型のSUVだ。「他社の中型ミニバンからの乗り換えが想定以上」(マツダ)といい、目標の2倍以上のペースで売れている。無骨な外観になりがちなミニバンに対し、CX-8は、同社の定番SUVである「CX-5」と同様のスポーティーなデザイン。クリーンディーゼルエンジンを採用しており、低速時にはガソリン車より力強く走れる点も評価された。
18年夏以降の新モデルでの注目は、若者向けのデザインにかじを切ったトヨタ自動車の「カローラハッチバック」。この他、SUBARU「フォレスター」やホンダ「CR-V」など、定評あるSUVがモデルチェンジを予定する。
カー用品で一人勝ちしたのが、運転中の映像や音声を記録するドライブレコーダー。きっかけは、昨年10月に報道された、東名高速道路で起こった「あおり運転」による死亡事故だ。被害を防ぐため、多くの人が“走る防犯カメラ”であるドライブレコーダーを買い求め、販売台数が前年から倍増した。カー用品販売大手のオートバックスで最も売れたのが、前後にカメラを取り付けられる「ZDR-015」(コムテック)。後ろからあおられたときも確実に撮影できるとあって飛ぶように売れ、「5月に入っても品薄傾向は続いている」(オートバックスセブン)。
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