※日経トレンディ 2018年7月号の記事を再構成

 2018年上半期、ヒットの法則に異変が起きている。経済合理性や機能性だけでは説明がつかない“謎”のヒットが多数出てきたのだ。その現象を観察すると、各業界の時代の変化が浮かび上がってくる。上半期ヒット商品とともに、下半期にブレイクすると予測したものを全16ジャンルで徹底調査した。その飲料業界編を紹介しよう。

「クラフトボス」や「ウィルキンソン」の好敵手が相次いで出現し、2018年上半期はペットボトルコーヒーと強炭酸水の市場が盛り上がった。

 オフィスでの“ちびだら飲み”のニーズを捉え、17年に大ヒットしたペットボトルコーヒー「クラフトボス」。これが上半期に新市場を見事につくった。タリーズ、UCC、ワンダと、コーヒーブランドが一気にボトルコーヒーに参入。飲料コーナーの景色ががらりと変わった。頭一つ抜けているのは「タリーズコーヒー スムーステイストラテ」。クラフトボスのラテと違い、無糖である点が好まれたようだ。

 もう一つのビッグトレンドが、無糖の炭酸水だ。昨今、炭酸水を酒の割り材ではなく「じか飲み」するニーズが急増し、ウィルキンソンの炭酸水が一人勝ちとなっていた。そこに上半期は好敵手が出現。カナダドライとサントリー南アルプスブランドから、いずれも「強炭酸」を掲げた新商品が出た。迎え撃つウィルキンソンは、強炭酸水にスパイシーさを加えてさらに刺激を高めた「ウィルキンソン タンサン ドライ」を発売。いずれも好調に滑り出し、夏の激戦を控えている。

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