驚異的な売り上げで機能性表示食品市場をけん引しているのが、ヤクルト本社の「Yakult1000」(宅配用)と「Y1000」(店頭用)だ。ヤクルト史上最高密度の「乳酸菌 シロタ株」(1ミリリットル当たり10億個)を配合しており、一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」の機能があるという。同商品のヒットを筆頭に、他社からも睡眠やストレスをテーマにした機能性表示食品が続々発売され、人気を博している。

A:ヤクルト本社/Y1000、B:カネカ食品/わたしのチカラ Q10ヨーグルト ドリンクタイプ
A:ヤクルト本社/Y1000、B:カネカ食品/わたしのチカラ Q10ヨーグルト ドリンクタイプ

 今回は、乳酸菌飲料市場で爆売れを続けるヤクルト本社の「Y1000」(店頭用)(A)と、カネカ食品(東京・新宿)の「わたしのチカラ」(B)のパッケージデザインを比較した。

 2019年10月に発売した「Yakult1000」は、それまでの「ヤクルト」とは異なり、一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」「睡眠の質向上」の機能があるとする。最初は「ヤクルトレディ」による訪問販売などを中心に、一部の地域限定で販売していたが、「悪夢を見るくらい熟睡できる」など、睡眠に関する口コミがSNSなどで話題に。そこから一気に人気が広がり、21年4月に全国販売がスタート。22年4~12月の販売実績はなんと196万本/日だという。

パッケージでは製品の品質が維持でき、環境にも配慮した薄肉シュリンクラベルを採用した。パッケージデザインの技術的検討も含め、制作には長い年月を要したという。左がYakult1000(メーカー希望小売価格は1本140円、税込み、以下同)、右がY1000(162円)
パッケージでは製品の品質が維持でき、環境にも配慮した薄肉シュリンクラベルを採用した。パッケージデザインの技術的検討も含め、制作には長い年月を要したという。左がYakult1000(メーカー希望小売価格は1本140円、税込み、以下同)、右がY1000(162円)

 Aは、そんな人気商品Yakult1000の店頭用商品Y1000。21年10月に発売し、22年4~12月の販売実績は44万8000本/日。宅配用のYakult1000と共に品薄状態が続いていた。

 ヤクルト本社の開発部開発一課・担当課長の吉田雄氏は、「Yakult1000の発売を通じて、改めてストレス緩和と睡眠の質向上に対するニーズが高いことが明らかになった。そこで店頭販売用にY1000を発売し、より多くのお客様が購入・飲用しやすいようにした」と話す。

 Yakult1000では、従来のヤクルトと同様にメインカラーを赤に設定。Aも同様の色合いだが、ボトルはよりスリムな形状を採用した。Aの容量は110ミリリットルで、店舗販売の高機能高価格帯の競合他社商品などを参考にしたという。

 Bの「わたしのチカラ」は、還元型コエンザイムQ10を含んでおり、「睡眠の質」「起床時の疲労感」「一過性のストレス」の改善に役立つとしている機能性表示食品。22年8月に関東圏で先行販売し、同年9月から販売エリアを拡大した。ドリンクタイプとヨーグルトタイプの2種類があるが、Yakult1000のヒットも追い風になり、ドリンクタイプがより人気だという。一部のコンビニやカネカ食品のオンラインショップなどで販売している。

 パッケージのメインカラーはピンクで、白の吹き出しの中に「疲労感」「睡眠の質」「ストレス」の3つの文字を目立つように配置している。

わたしのチカラは3効果の印象強い

 まず、パッケージを見て「どちらの商品を買いたいか」(Q1)を尋ねた。

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