「シンプル」なデザインを目指したものの「地味」になってしまったという経験はないだろうか。この2つは類義語ではないが、「良く言えばシンプル」「悪く言えば地味」と使い分けることができるぐらい、デザインにおいては近い表現である。そこでプラグ(東京・千代田)は、1商品につき500人、65商品で合計3万2500人に調査。「シンプル」と「地味」の違いについて考察した。

「地味」さと好意度の関係(図1)
「地味」さと好意度の関係(図1) ※相関係数 ー1から+1の範囲をとり、y=ax+bの直線的な比例関係に近い場合、aが正なら+1に、負ならー1に近づく
※相関係数 ー1から+1の範囲をとり、y=ax+bの直線的な比例関係に近い場合、aが正なら+1に、負ならー1に近づく

 今回は「シンプル」なデザインと「地味」なデザインを比較することで、消費者に「地味」な印象を持たれてしまうデザインの特徴、およびパッケージデザインにおいて好まれる「シンプル」とはどういう状態を表すかについて考察した。

 図1に示すように「地味」なデザインは、言葉が持つマイナスの印象の通り、好意度も低くなる。デザイン制作においては避けるべき結果である。

 分析にはプラグが2022年春に実施したパッケージデザインに関する好意度調査の中から、シャンプーと基礎化粧品のカテゴリーの65商品分のデータを用いた。調査では1商品につき1000人の消費者がパッケージデザインの画像を見て、好きかどうかを5段階で評価し、好意度の理由を自由回答で記入している。対象カテゴリーのメインターゲットと考えられる女性500人分(65商品合計で3万2500サンプル)に絞って分析を行った。

地味なデザインとは伝わらないデザイン

 評価理由の中で「地味」の回答が多かったデザインを順に並べたものが図2となる。一見すると「シンプル」とも取れるデザインが並ぶ。

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