「人気パッケージ比較調査」の番外編3回目は、ピクシブ(東京・渋谷)とAI(人工知能)開発を手掛けるPreferred Networks(東京・千代田、以下PFN )による、漫画本の自動着色サービス「Petalica Paint for Manga(ペタリカ・ペイント・フォー・マンガ)」を取り上げる。AI活用の先進事例だが、今後のデザイン開発などに生かされる可能性もありそうだ。

漫画本の自動着色サービス「Petalica Paint  for Manga(ペタリカ・ペイント・フォー・マンガ)」の主な流れ(資料提供/ピクシブ)
漫画本の自動着色サービス「Petalica Paint for Manga(ペタリカ・ペイント・フォー・マンガ)」の主な流れ(資料提供/ピクシブ)

 ピクシブとPFNは、「Petalica Paint for Manga」を2021年5月から法人向けに試験提供。今後は正式版のリリースを経た後に開発した技術を生かし、個人ユーザー向けのサービス提供も目指す。

 日本で漫画というと、まだ紙の雑誌や単行本が多く、白黒の漫画本が主流だ。だが電子書籍の普及により、スマートフォンで漫画を読む消費者も増えてきた。

 カラーの画面で求められる漫画は、着色されたカラー漫画である。海外ではカラー漫画が既にスタンダードになっているといわれ、白黒の漫画本が多い日本の漫画産業が海外展開をするうえでは、カラー化が不可欠になっている。だが、カラー化には専門スキルが求められ、白黒の漫画本では不要だったコストもかかる。

 この課題を解決するために、ピクシブとPFNはPetalica Paint for Mangaを開発した。カラー化という時間のかかる作業を省力化できるという。手作業での着色と比べて50%以上の作業時間を短縮できる。作業品質の均一化も促進され、クリエイターは作品の品質を上げる作業に集中して取り組めるようになるという。

自動着色技術を既存の漫画本に適用

 ピクシブとPFNの関係は、17年5月にピクシブの“お絵かきコミュニケーションアプリ”の「pixiv Sketch(ピクシブスケッチ)」にPFNの“線画自動着色サービス”「PaintsChainer(ペインツチェイナー)」を連携させたことから始まった。主に一般ユーザーが使い、線だけで描いた漫画を自動的に着色する。

 19年11月からは、創作活動を楽しくする新サービスの開発を目的に、AIの1つである深層学習の技術を活用した着色分野で協業を開始。ウェブ上のサービスとして提供していたPaintsChainerを「Petalica Paint」に改称、同サービスを共同運営してきた。

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