今回から「人気パッケージ比較調査」の番外編として、AI(人工知能)を活用したパッケージデザインの手法やサービスを5回に分けて紹介する。1回目はプラグ(東京・千代田)の「パッケージデザインAI」だ。デザインの評価だけでなく、2021年9月からはデザインの生成にもAIを利用。デザインの生成と評価を繰り返し、最適なデザイン案にするサービスに進化した。

「パッケージデザインAI」は、デザインの生成と評価のサービス。AIが評価と生成を繰り返し、最適なパッケージデザインをつくる(プラグの資料を基に本誌で加筆、作成した)
「パッケージデザインAI」は、デザインの生成と評価のサービス。AIが評価と生成を繰り返し、最適なパッケージデザインをつくる(プラグの資料を基に本誌で加筆、作成した)

 プラグは、リサーチやデザインを中心としたマーケティングソリューションを提供している。「パッケージデザインAI」は、検討中のデザイン案の要素をウェブにアップすると、AIが要素を組み替えて約1時間で1000個のデザイン案をつくるというサービス。商品のパッケージデザイン開発におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、従来のデザイン開発のコストを大幅に短縮するサービスという。東京都が革新的で将来性のある新しい製品・技術、サービスを表彰する2022年の「Tokyo Contents Business Award」で奨励賞を受賞した。

 パッケージデザインAIは、同社が抱える約920万人の消費者調査の結果を学習し、東京大学と共同研究して開発した。2つのメニューを備え、消費者がデザインをどのように評価するかを10秒ほどでAIが予測する「評価AI」と、デザインの生成と評価を繰り返してデザイン案を生み出す「生成AI」を用意している。先行していた評価AIは、これまで大手や中小企業など数百社に導入実績があるという。

デザインの生成と評価の流れ。各世代で100個作成し、上位評価のデザイン案を基に再生成を繰り返す。「第10世代」で1000個を作成する(プラグの資料を基に本誌で加筆、作成した)
デザインの生成と評価の流れ。各世代で100個作成し、上位評価のデザイン案を基に再生成を繰り返す。「第10世代」で1000個を作成する(プラグの資料を基に本誌で加筆、作成した)

5つのステップでターゲットに向けたデザイン案

 新メニューの生成AIは、遺伝的アルゴリズムと呼ぶ手法を活用。「第1世代」と呼ぶデザイン案を生成・評価して「第2世代」のデザイン案をつくり、これをさらに生成・評価。「第10世代」になるまでデザイン案の生成・評価を繰り返し、洗練させていく。最終的には1時間をかけ、「第10世代」で1000個のデザイン案に到達するという。実験の結果、「第10世代」のデザイン案で実用に十分なレベルだった。短期間で消費者の評価が高いデザイン案が出来上がれば、開発コストの大幅な削減につながりそうだ。

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