パッケージデザイン開発とマーケティングリサーチを行うプラグ(東京・千代田)は、2021年2~4月に発売された686商品のパッケージデザインに関する好意度調査を実施した。全体のランキングは、春らしく鮮やかなカラーをまとった商品が上位にくる傾向がみられた。ピンク、グリーン、イエローの台頭には、コロナ禍が消費者心理へ与えた影響もあるだろう。

好意度上位パッケージ(1~3位)
好意度上位パッケージ(1~3位)
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 20~50代の消費者約3万8000人が食品や飲料、医薬品など686種類のパッケージデザインの画像を見て、好きかどうかを5段階で評価し、そのうち「好き」「やや好き」と回答した割合を好意度とした。また、好意度の理由を自由回答で収集している。

 全体のランキングは、春らしく鮮やかなカラーをまとった商品が上位にくる傾向がみられた。季節感や果実の旬を感じさせるパッケージが上位にランクインしている。2021年春は特にアイスクリームの評価が高く、イチゴや桃のシズル感を演出したアイスパッケージが上位3位を占めた。

 1位は、「ハーゲンダッツ クリスピーサンド スイートストロベリー」。旬を感じさせると同時に高級感を出している点で高く評価されている。消費者からは、「イチゴの果肉を使っていておいしそう」「ピンクがかわいくてとてもいい」「高級感があって品質がとても高そう」といった肯定的意見が述べられている。

 2位は、「PARM(パルム)ストロベリーチーズケーキ」。消費者による評価は、「色合いがいい」「クリーミーな濃厚さが出ている」「高級感があって商品のおいしさが伝わってくる」などが代表的意見である。

 3位は、「アイスの実 濃いもも」。評価コメントとしては、「写真と色合いから濃厚な桃の風味を感じる」「味が想像しやすくて買いやすい」などが多くみられている。分かりやすさが受容ポイントになっている。

定番ブランドを進化させるデザイン

好意度上位パッケージ(4~10位)
好意度上位パッケージ(4~10位)
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 好意度4~10位では、アイスのほかに、チョコレート、スナック菓子、ヨーグルトの各商品がランクインしている。

 その中でも、「大粒アポロ 濃とろ苺」(4位)、「かっぱえびせん 桜えび仕立て」(6位)、「ハーゲンダッツ ミニカップ Decorations アーモンドキャラメルクッキー/抹茶チョコレートクッキー」(7位/9位)が注目される。それぞれのブランドが持つ世界観をいい意味で打ち破るようなデザインである。従来のブランドの持つ世界観から抜け出し、新しいブランドのあり方をうかがわせてくれる。なじみのあるブランドの安心感をベースにしつつ、ひと味違ったデザインのテイストを打ち出している。店頭で新商品を手に取りにくいコロナ禍において、定番ブランドに新しさが求められるという消費者ニーズを反映しているようである。

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