単独世帯の増加や個食ニーズの高まりにより、冷凍食品の需要が増加している。なかでも、パスタやラーメンなどの冷凍麺類は人気が高い。今回は調査対象として、1人用の冷凍麺「WILDish(ワイルディッシュ) 汁なし担々麺」(A)と、「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」(B)を取り上げた。
AとBの「どちらの商品を買いたいか」(Q1)と聞くと、全体ではAが34.3%、Bが65.7%だった。汁なし担々麺は、広島のご当地グルメとして注目され、今では全国区に広がった人気メニューだ。
AのWILDishブランドは、マルハニチロが19年8月に発売。ラインアップは、焼豚五目炒飯、豚キムチ炒飯、エビピラフ、チキンライスの米飯4品で、20年3月に汁なし担々麺、ソース焼そば、魚介豚骨まぜそばの麺3品とねぎ塩豚カルビ炒飯の米飯1品を追加した。商品名のWILDishはWildとDishを掛け合わせた造語だという。
コンセプトは「ワイルドにカキコメ!」で、ターゲットは単独世帯の男性。パッケージ下部に“マチ”が付いており、食卓に立ててそのまま食べることができる。皿に移す時間を省ける点がメリットだ。多様化するライフスタイルを考慮し、簡便調理や個食ニーズに対応する新しい食べ方として提案したという。赤色を基調にした汁なし担々麺のパッケージでは、イラスト調のパッケージから麺をすくった様子を描いている。
Bの日清中華ブランドは、「高級中華レストランのおいしさをご家庭へ」をコンセプトに日清食品冷凍(東京・新宿)が発売。スーパーマーケットを中心に展開しており、ターゲットも女性を中心に幅広い年代層(30~40代の主婦層から50~60代のシニア層まで)を意識している。
Bのもとになったのは、14年に発売した「冷凍 日清 汁なし担々麺 大盛り」という商品。当時の冷凍麺市場では、少人数世帯の増加や個食ニーズの高まりと、冷凍パスタ(麺の上にソースをかけて凍結させたスタイル)の「おいしい」「簡単」「手頃な価格」という利点がマッチし、冷凍パスタの需要が爆発的に伸長していた。「このトレンドを冷凍ラーメンのジャンルにも引き込んでいけないか」と考え、開発をスタートしたという。発売後は順調に売り上げを伸ばし、16年3月に「日清中華」のブランド名を追加した。19年9月に「たれ」をボリュームアップして、リニューアル新発売している。
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