健康に良いというさまざまな研究結果が出されているお酢。そんなお酢をおいしく、かつ手軽に飲めるお酢ドリンクが人気だ。今回の調査対象は、夏に向けて需要が伸びそうな4倍希釈タイプのお酢ドリンク。

 「フルーティス ピーチライチ」(A)と、「砂糖無添加 ソルティライチ黒酢」(B)を比較した。AとBの「どちらの商品を買いたいか」(Q1)と聞くと、全体ではAが53.3%、Bが46.7%だった。

 フルーティスシリーズは、Mizkan(ミツカン)が2020年2月に発売。希釈タイプに加えて、そのまま飲めるストレートタイプも用意している。フレーバーは、ざくろラズベリー、ピーチライチ、シャルドネの3種(ストレートタイプはざくろラズベリー、ピーチライチの2種類のみ)。

 ミツカンによると、この5年間で食酢飲料市場は右肩上がりに伸張している。19年度春夏(19年3~8月)の食酢市場は前年同期比3.1%増で、なかでも食酢飲料は同25.0%増だった。同社では、食酢飲料のさらなる市場拡大を目指し、Aを発売した。メインターゲットは、これまでお酢ドリンクになじみのなかった30~40代の若い女性だ。同社では04年から黒酢とフルーツを掛け合わせた黒酢ドリンクシリーズを発売していたが、同商品の購入層は健康意識の高い50~60代の男女が中心だった。パッケージでも「黒酢」「健康」のイメージを強調していたため、若い女性の目を引く機会が少なかったという。

 Aでは、黒酢ドリンクシリーズで獲得できていなかった若い女性層に注目。従来とは違うイメージのお酢ドリンクを作ることで、彼女たちに寄り添った商品を提供したいと考えた。想定する飲食シーンは、1日の始まりや家事や仕事の合間、夕食後や風呂上がりといった暮らしのワンシーン。健康を意識してAを飲むというよりも、リフレッシュタイムやリラックスタイムに飲むというイメージだ。

 パッケージにはスリムタイプのペットボトルを使用した。中央にはお酢を表す「Su」の表記を入れているが、漢字ではなくローマ字表記にすることで、若い女性が自然と手に取りたくなるおしゃれなイメージにした。また、とろけたようなフルーツのグラフィックを配置することで、フルーティーでおいしそうなイメージを作っている。

 Bは、ヤマモリが20年2月から発売。ターゲットは、健康と美容に気を使う30~40代の女性。砂糖不使用で、「糖質を気にせずジュースやスイーツ感覚で継続飲用できる」ことを売りにしている。フレーバーは、ソルティライチ黒酢、シャインマスカット黒酢、マンゴー杏仁黒酢の3種類。パッケージは瓶タイプで、ロゴの「黒酢」が目立っている。中央には、手描きしたような印象のライチと塩(ソルト)のグラフィックを配置した。Aとはまた違った方向性のナチュラルでおしゃれなパッケージだ。

 Q1の結果を男女別で見ると、男性はAが57.3%でBが42.7%、女性はAが49.3%でBが50.7%。Aを最も評価したのは男性20代の70.0%で、次点が男性30代の63.3%、次いで女性20代の60.0%だった。若い人を中心に、なかでも男性に人気のパッケージと言えるだろう。「若い女性をイメージしてデザインしたので、男性にも人気というのは良い意味で驚いた。最近は、若い人ほどデザインの好みに対するジェンダー差がなくなってきていると感じる。また、Aのさっぱりとして飲みやすそうなイメージが、若い男性にも好意的に受け入れてもらえたのかもしれない」(ミツカン商品企画部の杉山志乃氏)。

 Bの場合は、女性60代の63.3%が最も高く、同商品のメインターゲットの女性30代、女性40代も、それぞれ50.0%、53.3%と高い。狙った層に支持されていることが分かる。

Aはフルーツ、Bはお酢のイメージ

 「パッケージから感じるイメージ」(Q2)では、Aは「フルーツのイメージが強い」が77.7%、「飲みやすそう」が76.3%、「気分が高揚しそう」が66.7%、「気分がリフレッシュしそう」が66.0%と続く。フルーツ味で飲みやすそう、気持ちを変えてくれそうというのは、Aが目指したところでもある。

 一方のBでは、「お酢のイメージが強い」が84.0%、「素材が良さそう」が74.3%、「健康に良さそう」が73.7%、「高級感がある」が71.7%と続く。健康に良さそうなイメージで、高品質なお酢。これは、従来のお酢ドリンクが目指すイメージに近いだろう。

 通常のお酢ドリンクが350ミリリットルで500円だった場合、「Q1で選んだ商品がいくらまでなら買うか?」(Q3)と聞くと、Aは+10.8円、Bは+24.4円だった。高級感がある印象のBのデザイン価値が13.6円高かった。

 「どこを見て買いたいと思ったか」(Q4)と聞くと、Aは全体の色合いが23.8%、ピーチとライチのグラフィックなどが15.6%、ピーチライチのテキストが13.1%だった。全体の色合いは性別関係なく人気だった。

 Bの場合は、ソルティライチ黒酢のロゴが45.0%、ライチとソルトのグラフィックが21.4%、全体の色合いと砂糖無添加のグラフィックが12.9%だった。ソルティライチ黒酢のロゴや、ライチとソルトのグラフィックが男女問わず人気だった。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>