パッケージデザイン開発とマーケティングリサーチを手掛けるプラグは、2019年8~10月に発売された610商品のパッケージデザインに関する好意度調査を実施した。表現のトレンドは、これまでの「濃厚さ」から「とろける」へと移りつつあり、情緒的な魅力を訴求するデザインが人気を集めた。
20~50代の消費者3万人がパッケージデザインの画像を見て、好きかどうかを5段階で評価し、そのうち「好き」「やや好き」と回答した割合を好意度とした。また、好意度の理由を自由回答で聴取している。
1位は、トップ10の常連ブランドである不二家の「ソースを味わうルック(贅沢あまおう苺)」だった。スプーンから垂れたイチゴソースが濃厚な味わいをイメージさせ、ソースで描かれた波線がおしゃれな印象を与えている。20代女性だけでなく、30~40代男性からも支持された。自由回答では、「鮮やかなイチゴソースがとろりとかかるデザインがおいしそう」「白の背景に、イチゴのソースを表現した曲線がおしゃれで品がよい」「フランス料理店で出されるデザートのような盛り付けの画像がとても美しい」などの意見が寄せられた。
ルックシリーズは、15年春に「ルック生チョコin」(好意度67.9%)で9位、16年秋に「ルックロイヤル 角切り苺」(好意度71.4%)で1位、17年春に「ルックロイヤル 日本の美味しい苺」(好意度68.6%)で7位、同年秋に「サロン・ドゥ・ルック フォンダンショコラ」(好意度66.7%)で5位、18年秋に「サロン・ドゥ・ルック ザッハトルテ」(好意度73.0%)で2位と、抜群の安定感で高評価を獲得し続けている。
2位はロッテの「雪見だいふく とろける至福 生チョコレート」。深い紺色に雪をあしらった冬の限定感が、いつもとは違う特別な商品であることを伝えている。この商品も女性だけでなく、男性からも一定の評価を得た。自由回答では、「いつもの雪見だいふくとは違って、限定感のあるデザイン」という意見が見られた。
3位には、冷蔵食品カテゴリーから明治「北海道十勝カマンベールチーズ燻製」が入った。トップ3に冷蔵食品が入るのは初めてだ。茶色に金文字の配色から、本格的で高級なチーズが連想され、断面のとろける様子がおいしそうに感じられることが高評価につながった。
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