人気商品のパッケージデザインを調査する本連載。今回はマウスウォッシュ。口臭を気にする人は多く、高機能・高価格のオーラルケア用品の売り場は拡大傾向にある。そのなかで、女性向けにデザインした2つの商品を調査した。

 今回の調査対象は花王の「Frouge(フルージュ)レディピーチ」(A)と、サンスターグループ(以下、サンスター)の「オーラツー プレミアム ブレスフレグランス マウスウォッシュ フルーティーフローラル」(B)。

 Aは、「クリアクリーン」ブランドの商品で2019年11月に発売された。ターゲットは、若年女性だ。

 背景には、若い女性の口臭に対する意識の高まりがある。18年に花王が行った調査では、「息が人の印象を変えると思いますか」という問いに対して、18~34歳の女性の98%が「そう思う」と回答している。一方で、この年代のマウスウォッシュの使用率は、他の年代に比べて低かった。

 そこで同社は、女性が好みそうなみずみずしいフルーツの香味で息を「メイク」するというコンセプトのマウスウォッシュを開発した。香味は「レディピーチ」「アクティブグレープフルーツ」「イノセントアップル」の3種類を用意した。

 パッケージは、オーデコロンのボトルに見られるような丸みのある形状。透明のラベルに、ピンクや緑など香味によって異なる2色の帯を斜めにあしらっている。中央のロゴは黒色で、右上に配置したピンクのキスマークがアクセントになっている。

 パッケージの先端にはノズルが付いていて、口を付けずに溶液を口内に注げる。コップを不要にすることで、口紅が落ちにくくする配慮だ。外出先でも使いやすく、人に会う前の化粧直しの際や旅行や出張でも手軽に使える。

 Bは、「Ora² PREMIUM(オーラツープレミアム、以下、プレミアム)」シリーズとして16年7月に発売。19年2月にパッケージを全面リニューアルしている。

 ターゲットは、美容意識の高い20~30代の女性。当初の商品ラインアップは、マウスウォッシュや歯磨き粉が中心だったが、その後フロスやチェックミラーなども追加。オーラルケア全般を展開するブランドに成長しつつある。

 同シリーズでは、基本ケア用の「ベーシックケアライン」、頑固なステイン(着色汚れ)を除去するなど用途を特化した「スペシャルケアライン」という2つのラインを用意。化粧品のように自分の悩みに合わせたケアができる点に特徴がある。

 Bのパッケージでは、ラベルに花をモチーフにした幾何学模様をデザインし、女性らしい華やかさを演出している。このフラワーレリーフを、同シリーズのパッケージに共通して用いることで、シリーズとしての一体感を生み出している。金の地色と紺のロゴの組み合わせも、華やかで上品な雰囲気だ。

 パッケージの表面には、凸凹の加工を施し、キラキラと光を反射させている。香水を思わせるデザインなので、化粧品と並べても違和感がない。

 フレーバーは、「フルーティーフローラル」と「アクアティックシトラス」の2種類で、ラベルのカラーとして前者はピンク、後者はブルーを採用している。

 最初に、パッケージで選ぶならAとBの「どちらの商品を買いたいか」(Q1)を聞いた。

 すると全体ではAが32.0%、Bが68.0%と、Bの支持率が大幅に上回った。

高級感があり、気分が上がるB

 Q1の結果を男女別で見ると、男性はAが34.0%でBが66.0%、女性はAが30.0%、Bが70.0%だった。Aを最も評価していたのは女性60代の53.3%、次点が男性60代の50.0%だった。ターゲットとしている若い女性よりも上の世代に支持されている。

 Bは、女性20代と50代が共に80.0%と最も高かった。次いで女性では30代が73.3%。Bのターゲット層である20~30代の女性の心をつかんでいる。

 「パッケージから感じるイメージ」(Q2)では、Aは「持ち歩きたい」が56.7%、「使いやすそう」が50.3%、「職場や学校で使いたい」が48.3%と高い。持ち運びできる小ぶりなサイズと、コップなしで使用できる便利さが評価された。

 Bは、「高級感がある」が73.3%、「気分が上がりそう」が72.3%、「歯がきれいになりそう」「品質が良さそう」が共に68.7%と高かった。

 高級感がある、気分が上がるといった反応は、サンスターの狙い通りだ。

 「Bでは、化粧品のような印象を取り入れ、かわいらしくも洗練された、ワンクラス上のパッケージデザインを目指した。全体の色合いには、特に注力した。シックな紺色と華やかなゴールドを取り入れ、洗面台に置いておくと気持ちが上がる風合いを表現した」(サンスターグループ マーケティング本部・ビューティケアマーケティング部・Ora²チームの金水陽子氏)

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