人気商品のパッケージデザインを調査する本連載。疲労回復や大切な仕事の前に気力を高める目的などで飲まれるエナジードリンク。メーカー各社が参入し、市場が拡大傾向にある。今回はエナジードリンクのパッケージを検証した。

 ブドウ糖や眠気を覚ますカフェインなどを配合しており、飲むと頭がすっきりしたり、気持ちが前向きになったりする効果を期待できるエナジードリンク。今回の調査対象は、エナジードリンクの「コカ・コーラ エナジー」(A)と「RAIZIN DRY(ライジン ドライ)」(B)。AとBの「どちらの商品を買いたいか」(Q1)と聞くと、全体ではAが77.3%、Bが22.7%。Aの支持率が大差で上回った。

 Aは、「コカ・コーラ」ブランドから初のエナジードリンクとしてコカ・コーラシステムが2019年7月1日に発売した。欧州では19年4月に発売していた。同社はこの市場の拡大に期待しており、10月7日にエナジードリンク「リアルゴールド ドラゴンブースト」を発売し、ラインアップを拡充している。

 コカ・コーラ エナジーは、カフェインとガラナエキス、ビタミンB6、ナイアシンを配合。エナジードリンクでありながら、コカ・コーラらしい味わいを実現している。メインターゲットは20~30代の働く男女に設定している。コンビニなどで商品を積み上げる販促キャンペーンを展開し、発売から5週間で2000万本を販売した。その後も販売は好調で、10月25日時点で3500万本以上を出荷した。ここまでの売れ行きは同社の予想を大きく上回っている。

 パッケージにはコカ・コーラのロゴと、エナジードリンクであることを示す「ENERGY」のテキストを大きく記載。缶の天面を赤くして、売り場での視認性を高めている。パッケージの地に黒いウエーブを描き、ポジティブなエネルギーが拡散する様子を表現している。

 Bは、大正製薬が17年4月に発売。ジンジャーと香辛料を配合した辛口な味わいに特徴があり、すっきりとしたジンライムのような香りを楽しめる。徹夜や残業などのハードワークの前に飲むというよりも、気分を切り替えたいときや、すっきりしたいときに飲むのに適した印象だ。糖類ゼロ、カロリーゼロの「RAIZIN ZERO(ライジン ゼロ)」や、期間限定のフレーバーもある。

 パッケージは白色がベースで、中心にはオレンジのグラデーションで四角形を描いている。このグラデーションの色合いは、同ブランドが発足当初から継承している。商品名や大正製薬のロゴマークをあえてパッケージ下部に控えめに配置することで、店頭に並んだ際に多角形の印象が際立つようにしている。

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