パッケージデザイン開発とマーケティングリサーチを行うプラグは、2019年2~4月に発売された639商品のパッケージデザインに関する好意度調査を実施。上位3商品は、カテゴリーの平均好意度が常にトップクラスを誇るアイスカテゴリーが独占した。
20~50代の消費者2万8000人がパッケージデザインの画像を見て、好きかどうかを5段階で評価し、そのうち「好き」「やや好き」と回答した割合を好意度とした。また、好意度の理由を自由回答で聴取している。
今春の上位3商品は、カテゴリーの平均好意度が常にトップクラスを誇るアイスカテゴリーが独占した。この3ブランドはいずれも過去にカテゴリー内の上位にランクキングされたことのある実力派ぞろいとなっている。
1位のオハヨー乳業「ぜいたく果実 白桃アイスバー」は、昨春上位だった「ぜいたく果実いちごアイスバー」に続く「ぜいたく果実シリーズ」のフレーバー違いで、人気の高さがうかがえる。みずみずしい桃の爽やかな印象とかわいらしさが高く評価された。
2位の「ハーゲンダッツ ミニカップ ライチ&ラズベリー」は一目でハーゲンダッツと分かるブランドらしさと、シズルの分かりやすさ、かわいらしさが評価された。同ブランドは、ランキング上位の常連でもある。
3位は、フタバ食品「ももの季節 白桃&黄桃」。16年秋には、「ぶどうの季節 巨峰&マスカット」が上位にランクインした。盛りだくさんなフルーツのシズルから、ジューシーな果肉や本格的な味わいを想起させるパッケージだ。
なお、アイスカテゴリーに限らず、今春の特徴として、これまで続いていた高級感トレンドがやや落ち着きを見せ、みずみずしい果実感や爽快感の伝わるデザインが高く評価される傾向が顕著だった。
冷・涼を演出するスカイブルー
春の色として根強く愛されるピンク色は今年も人気だ。ピンクを使ったパッケージが多くのカテゴリーで上位にランクインした。爽やかさと季節感を表現した柔らかな色合いが、この時期に好まれる要因と考えられる。
今年はさらに、対抗する色として冷・涼を感じさせるスカイブルーを使用した商品が多く見られた。こちらも飲料や食品、化粧品など幅広いカテゴリーで上位にランクインした。キリッとした爽快感があり、夏を先取りする商品として評価された。
一方、これまで春秋を問わず人気があった、黒・赤・茶を使用したデザインは、高級感トレンドの落ち着きとともに上位からやや後退した。昨今見られる黒では、背景色として、よりシズルの存在感を出すための使われ方が多くなっている。
春のカラートレンドは、季節に合った明るく爽やかな色合いが評価を取り戻しつつある。今後、トレンドは、新緑や若葉色などの緑系や、菜の花色などの黄色系などにも広がる可能性がある。
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