急拡大するRTD市場。中でも高アルコールのストロング系チューハイは、「安く早く酔える」ことが支持されて2桁成長を続けている。同カテゴリーでシェアトップの「‐196℃ストロングゼロ」と斬新なデザインで注目される「99.99」を比較。99.99が支持率で大きな差を付けた。
RTD(Ready to Drink)とは、缶を開けてすぐ飲めるアルコール飲料のことで、缶チューハイや缶カクテルなどがある。サントリースピリッツの調査によると、RTD市場は直近10年間で約2倍に拡大した。宅飲み需要も増加し、中でも食事中に高アルコール度数のRTDを選ぶ人が増えている(「サントリーRTDレポート2019」)。
今回の調査対象は、高アルコール度数の缶チューハイ。「サッポロ チューハイ99.99<フォーナイン>クリア ライム」(A)と、「-196℃ストロングゼロ ビターライム」(B)の2商品だ。AとBの「どちらの商品を買いたいか」(Q1)と聞くと、全体ではAが63.3%、Bが36.7%。半数以上がAを選ぶという結果だった。
Q1の結果を男女別で見ると、男性全体ではAが58.0%、Bが42.0%、女性全体ではAが68.7%、Bが31.3%。Aは男女共に人気だが、女性からの支持率が高い。中でも女性60代が76.7%、女性30代が73.3%で人気だった。一方、Bは、男性60代の50.0%が最も高かった。
99.99シリーズは、サッポロビールが18年8月に発売した。純度99.99%の高純度ウオッカを使用しているのが特徴で、アルコール度数は9%。通年で販売するフレーバーは、「クリア レモン」「クリア ドライ」「クリア グレープフルーツ」「クリア ライム」の4種類がある。売れ行きは好調で、年間販売目標の200万ケースを1カ月前倒しで達成。19年3月末までの累計で368万5000ケース、250ミリリットル換算で8800万本を出荷した。同社の主力は、「サッポロ 生ビール黒ラベル」や「ヱビスビール」などのビール系商品であり、RTDでは後発だった。ところが、99.99がヒットしたことでRTDの販売数量は、前年比で147%に拡大。同社のRTD販売数量の内、99.99は実に約50%を占める。
99.99のターゲットは、お酒にこだわる30~40代の男性。商品コンセプトは、「研ぎ澄まされたうまさ」。パッケージで、この商品コンセプトを表現している。クリア ライムのカラーには、マット調のエメラルドグリーンを採用。「シンプルな生活スタイルに似合う、スタイリッシュでかっこいいデザインを目指した」と同社新価値開発部・アートディレクター、鯨岡大介氏は語る。
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