人物写真を掲載した商品パッケージは少ない。人物写真に良い印象を抱かない消費者が多いというのがその理由。パッケージデザイン開発とマーケティングリサーチを手掛けるプラグが、しょうゆとスープに焦点を当て、人物写真を使う場合のメリット、デメリットを解説する。

人物写真への評価が分かれたパッケージ
人物写真への評価が分かれたパッケージ

 人物写真を使っている食品のパッケージの中で、スープとしょうゆの各1商品に着目し、好意度を分析した。1つは、ポッカサッポロフード&ビバレッジの「じっくりコトコト ご褒美ダイニング 冷製スーパースイートコーンポタージュ」(以下、冷製スーパースイート)。もう1つは、画期的な酸化防止容器の先駆けとなったヤマサ醤油の「ヤマサ 鮮度の一滴 プレミアムしょうゆ」(以下、プレミアムしょうゆ)。いずれのシリーズも高いブランド力を持ち、パッケージ評価でも実績がある。

 冷製スーパースイートは、好意度が52.7%だった。同ブランドの他7商品の平均値60.6%と比べて7.9ポイント低い結果であった。ただ、自由回答では人物写真に対する直接的な意見は目立たなかった。一方、シズルに対する違和感、色のコントラストや装飾に対する不満が多かった。

 この商品の場合、全体的にパッケージが「作り物感」を漂わせていることが、評価を押し下げた要因になっている。人物写真を載せたこともその原因の1つ。また、人物を際立たせるための黒の背景と黄のコントラストや、上部に人物写真をレイアウトしているため商品名や装飾がシズルに重なっている点も低評価に影響している。

 なお、人物写真そのものについては、「信頼感がある」「特別さと高級さを感じる」「こだわりを感じる」などの肯定的な意見と、「シェフが偉そう」「あざとい」「流行遅れ」などの否定的な意見に分かれている。

しょうゆに外国人の写真は適さない

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