アサヒ飲料のWebサイトがネットユーザーに好評だ。3万人以上のネットユーザーに国内500のサイトを多角的に評価してもらい、そこから総合力(=ブランド力)を算出する「Webブランド調査2014-秋冬」(実施:日経BPコンサルティング、調査期間:2014年10月8~20日、有効回答数:3万6369サンプル)において、全体ランキングトップ20の中で、前回と比べて10.7ポイントアップと最もスコアを伸ばした。

順位も前回40位から今回14位へと飛躍。男性、女性ともに評価が上がっているのが特徴で、男性では20位(前回79位)、女性では10位(同33位)にランクインした。
回答を詳細にみていくと、「サイトへの再来訪意向」が11ポイント、「キャンペーンコンテンツを利用した」との回答が3ポイント以上、前回よりアップしており、これらがスコア全体を押し上げた格好になっている。
躍進の理由を、アサヒ飲料は大きく2つ挙げる。1つは、昨年8~9月に展開した「ご満足いただけなければ全額返金」を掲げたプロモーションなど、缶コーヒー「WONDA」関係のキャンペーンを、昨年下期中に2回も、Webサイトで応募を受け付ける形で展開したことだ。
スマホ経由の来訪が70%の時も
「Webでのキャンペーンは珍しくないが、半年間に2回も取り組んだのは昨年下期が初めて」(マーケティング本部アサヒマーケティング部マーケティング第一グループの鈴木隆士課長)。2回ともテレビCMを使って広く告知し、「詳しくはWebへ」と誘導した。このためWebサイトを訪れ、キャンペーンコンテンツを利用するユーザーが増えたようだ。
また、パソコンに比べ、思い立った時にすぐ応募しやすいスマートフォン経由でサイトを訪れるユーザーが、「多い時は70%」(鈴木氏)にまで達していたことも、キャンペーンコンテンツの利用を後押しした。
もう1つは、長年積み重ねてきたWebサイト作りの方針が、ここへきてユーザーに評価されたことだ。
安価で入手しやすい飲料商品は、情報を求めてWebサイトを訪れる動機に乏しい。そこでアサヒ飲料は、CMと同じ動画広告をネットに出稿するなど商品イメージの訴求に力を入れる一方、肝心の自社サイトは、「シンプルなデザインで見やすくまとめ、一目で欲しい情報が目に入るようにする」(マーケティング本部アサヒマーケティング部マーケティング企画室メディアチームの鹿子由香里副課長)ことにこだわってきた。
このため、アサヒ飲料のWebサイトを見たことがない消費者が、キャンペーンなどを契機に訪れたら、「思いの外、わかりやすく気に入ったのでは」(鹿子氏)というわけだ。
今後もシンプルでわかりやすいサイトはそのままに、商品販促キャンペーンやテレビCMとの連動などで、「ユーザーのWebサイト利用を増やす取り組みを試していく」(鹿子氏)という。