グリーの2014年7~12月の営業利益は前年同期比45%減の105億円になる見通しだ。2012年をピークに減益が続くが、収益回復に転じる可能性はあるのか。

 その兆しは見えてきた。コアユーザー数の減少に歯止めがかかってきたからだ。コアユーザーは、「一定額以上のコイン消費と月間のログイン日数の基準を満たしたユーザー」と同社は定義している。

 収益悪化の原因の1つは、スマホ向けゲームアプリの出遅れだった。グリーは、アプリの商品化を加速するために、1000人規模の開発体制を目指している。さらに「売り上げ重視から顧客満足度(CS)重視に切り替えて、顧客の不満を徹底的に把握してより面白いゲームを開発することに注力してきた」(事業統括本部Japan Game事業本部Marketing部の高山俊治部長)と言う。

 グリーはある時期から、ゲームの面白さやCS向上に力点を置くように転換。継続率や日次・月次のユーザー数などをKPI(重要業績評価指標)として収益の改善を図ってきた。その結果、コアユーザーの数の減少にも歯止めがかかるようになったという。それ以前は、収益に直結するようなKPI、例えば1人当たりのコイン消費などを、より重視していた。

 以前からゲーム業界は、豊富なユーザーの行動データをゲームの開発に生かしてきた。ビッグデータ分析の先進業界として知られる。ただし、ユーザーの行動分析だけでは、本質的にゲームの面白さの改善にはつながらないという。

 ユーザーの不満がどこにあるのか、その原因を把握するためには、行動分析から背景を探るより、ユーザーに直接聞いたほうが早い。利用者アンケートで、「不満を教えてください」という設問を入れる。ゲームに対する満足度を聞くだけでは、満足や不満の本質は分からない。またユーザーも大雑把な回答になる。不満に関する意見を読むことで、ユーザーの熱量を感じると分析チームの担当者はいう。

※本記事は、日経ビッグデータで公開した記事です。図と続きの本文は、日経ビッグデータのサイトでお読みください。

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