4月にオープンした「BEN&JERRY'S 表参道ヒルズ店」、初日は5000人が来店した

 今年4月14日、東京・表参道に開店したアイスクリーム販売店「BEN&JERRY'S 表参道ヒルズ店」には、アイスクリームを求める人たちの長蛇の列ができた。初日の来店客数は実に5000人。この12月には、2号店を東京・吉祥寺に開店し、真冬にもかかわらず1000人以上が訪れた。

 BEN&JERRY'Sではパンフレットなどに記載するURLをあえて、自社サイトではなくFacebookページにするなどしてファンを集めることに注力しているという。店舗数が少ないうちはテレビ番組などでも話題にしてもらえる可能性は高い。が、店舗数が増えればニュース価値は薄れ、新規顧客を獲得しづらくなる。

 そうした事態を見据えて、話題を集めているうちからデジタルマーケティングを活用して、ファン作りを並行して実施するのが狙いだ。

 店舗を展開するユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング(東京都目黒区)の中川晋太郎マネジャーは、「BEN&JERRY'Sは、大人向けなのにポップ、ちょっとやんちゃで変わっている。そんなブランドイメージを大切にしている」と言う。そうしたブランドイメージを伝えるには、「15秒で終わるテレビCMよりも、Facebookページの方が向いている」と中川氏。

 同社のFacebookページでは牛のキャラクターを通じたコミュニケーションを実施している。アイスクリームの写真だけでなく、「犬もあるけばアイスにあたる」といった投稿でファンの笑いを誘う。

 企業のWebサイトでは発信しづらいが、キャラクターを立てたFacebookページなら抵抗感も和らぐ。こうした投稿やソーシャルメディアならではの双方向のやり取りで、多角的にブランドイメージを形成することを狙う。

 Facebookとリアルを結びつけたO2O(オンラインtoオフライン)施策にも徐々に取り組み始めている。

 例えば、10月のハロウィーンでは、仮装して店頭に訪れ「トリックオアトリート」と店員に言った人に、アイスクリームのSサイズを無料でプレゼントするとFacebookページで告知した。結果、100人超の店舗集客につながった。また、Facebookページ上で出題したクイズに対して店頭で答えて、当たると同じくSサイズのアイスをプレゼントする企画では30人程度が来店した。これらイベンドごとの集客具合も分かってきた。

結婚式場でアイスを振る舞う


 BEN&JERRY'Sのアイスクリームを積んだ車が出向いていって、無料でアイスクリームを振る舞う企画も実施。200件超あった応募の中から抽選で当たった人の結婚式会場まで行ってアイスクリームを配って、相手の許諾を得た上で、その写真をFacebookに投稿した。

 2013年は、こうしたソーシャルメディアとリアルを交えた双方向型の企画を積極的に実施し、ファンとのつながりを一層強化することを目指す。

 もっとも、ソーシャルメディアの店舗への誘導力は、まだまだテレビや新聞には及ばないのが現実。表参道店の来店者へアンケートを実施したところ、来店のきっかけはこうしたマスメディアが強く、ソーシャルメディアは4番目。「ゆくゆくはソーシャルメディアを1番にしたい」と中川氏は語っていた。