クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス・インターナショナルの国内向けFacebookページが盛況だ。8月9日時点のファン数は12万3000人超。前後にはトヨタ自動車(同13万人)や近畿日本ツーリスト(同12万2000人)といった顔ぶれが並ぶ。大衆向け消費財でも嗜好品でもない金融サービスとしては健闘していると言えるだろう。ちなみにジェーシービー(JCB)は同5万8000人、クレディセゾンは同5万1000人、三井住友カードは同9700人だ。

ワオ! が投稿の基準

 同社のFacebookページを統括している広報部の津釜宜祥課長は、「年頭、今年のファン数10万人を目標にしていたが、6月中にクリアしてしまった」と驚く。ファン数だけではない。6月以降の投稿には軒並み1000人以上の「いいね!」が寄せられており、エンゲージメント率も高い。

Facebook連動型キャンペーンで若いカード会員が増加

 「例えばリボ払いのご案内やポイントが貯まりますといった、いかにもクレジットカード的な話題は抑え気味にしている」と津釜氏。代わりに重視しているのは、カードメンバーになることで得られる「体験」の共有だ。

 クレジットカードの会員が貯めたポイントは通常、マイルに移行したり商品券や商品に換えたりとさまざまな用途があるが、同社は会員向けにヘリクルーズ体験や舞妓さんと祇園散歩など、ユニークな体験プログラムを用意することで知られる。アメックスメンバーになることで得られる特典を写真付きで投稿すると、インパクトが大きい。「その投稿にワオ!と感じるサプライズがあるかを重視し、写真は厳選している」(津釜氏)。

 新しく特典に加わったホエールウォッチング体験の投稿には5000件のいいね!がついた。新規の加盟店情報やポイント2倍キャンペーンのお知らせなどが並ぶ他社カードとは異なり、カード会員の体験や挑戦を後押ししたいアメックスのポリシーがFacebookページに表れている。

 細かなところではテキストは3~4行で手短に。一方的なお知らせではなく「皆さんがトライしてみたいのはどれですか?」など、問いかけ調で締めくくる文体が多いのも特徴だ。コメントの書き込みを上手に誘発している。

 アメックスでは、顧客のロイヤルティを測る指標として、友人に勧めるかどうかを問うNPS(ネットプロモータースコア)を重視してきた。その点Facebookは、アメックス会員がいいね!やシェアした投稿が、非会員の「友達」にもフィードとして流れ、間接的に紹介する形になるので相性がいい。

 ここ最近のキャンペーンはすべてFacebook連動型にしている。応募したことが自分のウォールにも同時投稿されるため(非表示も選択可)、友達を介して参加者を増やしやすい。

 Facebookがカード会員増加にどの程度寄与しているのか、精査はこれからだが、「10万人が見えてきたあたりから若い世代のカード会員が増えてきた感覚がある」と津釜氏は手ごたえをつかんでいる。