良品計画は7月6日から、世界同時キャンペーン「MUJI to GO」を始める。同社が店舗を持つ22の国と地域で同時に開催する。デジタルマーケティング施策を含めた、世界同時キャンペーンは同社としては初めての試みとなる。実施期間は8月9日まで。

 キャンペーンでは、無印良品のモノ作りの考え方である、「生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくること」を世界に発信して、ブランドの認知向上を図る。

スゴロクで「MUJ to GO」

 具体的には各国の店舗でMUJI to GOのコーナーを作り旅行関連商品を訴求していく。同時に、世界共通のキャンペーンサイトを開設する。サイトはスゴロクをモチーフとしたもので、「Facebook」や「Twitter」のアカウントと連携することで遊べる。

 世界同時展開をする上で、課題となったのが中国だ。中国国内ではFacebookとTwitterは利用できない。良品計画にとって中国は、2012年度の売上高で前期比62.3%増の103億円を見込むほど重要拠点の1つ。そこで、中国版Twitterとも呼ばれ、2億5000万人が登録する「新浪微博(シンランウェイボー)」と連携することでキャンペーンに参加できるようにした。

 良品計画の各国の現地法人が運営するFacebookページやTwitterアカウントを通じて、約184万人の無印良品ファンにも利用を促していく。

店舗誘導企画も世界同時展開

 サイトのスゴロクでは、サイコロを振って駒を進め、止まったマスのイベントを楽しめる。商品情報を表示するマスや、オリジナルのトランクや日本の国内旅行が当たるルーレットで遊べるマスなどを設ける。

 「旅行グッズ、カバン、ヘルス&ビューティーといった商品群は、無印良品らしさがとりわけ発揮できる領域」(同社WEB事業部コミュニティー担当川名常海課長)。仕切りで整理整頓できるキャリーバッグや、水で戻る小さく圧縮されたタオルなど、工夫を凝らした50商品の情報をスゴロクで遊んでもらう中で、利用者にアピールしていく。

 スゴロク参加者に店舗へ足を運んでもらう仕組みも用意する。スゴロクには商品情報などを伝えるマス以外に、良品計画が店舗展開する国をイメージした絵柄のマスがある。このマスに止まると、その絵柄のステッカーをもらえるクーポンが表示される。このクーポンを店頭で見せることで、23種類の中からランダムにステッカーをもらえる。ステッカーは約50万枚を用意しており、取得したクーポンはどの国のどの店舗でもステッカーと引き換えられる。

 昨年末に、国内でレトルトカレーを対象に展開した同様のスゴロクキャンペーンでは、1万人のクーポン取得者のうち延べ9761人が来店という成果を得た実績がある。今回の企画でも世界での来店者増加に期待をかける。

 良品計画は4月に発表した今年度の経営計画の中で、Web事業への投資と海外事業への投資を重点的に強化する方針を明らかにしている。6月17日には、ドイツで展開しているネット通販サイトを刷新したばかり。世界同時キャンペーンの実施で、Webと海外重視の戦略をより鮮明にする。