巨大サイト「コカ・コーラ パーク」が4月、ソーシャルメディア対応に舵を切る。

 日本コカ・コーラが提供する同パークは、懸賞企画やポイント、支援するスポーツイベントや選手といったコンテンツを武器に、この3月に登録者数が1000万人を突破した。日本有数の会員サイトである。

 巨大さゆえの難しさが、さらなる会員増と利用の活性化だ。同社が用意した答えは、他社のソーシャルメディアに逃げていたトラフィックを、同パーク内に取り込むことだ。同社インターラクティブ・マーケティング江端浩人バイスプレジデントによれば、「(複数のソーシャルメディアを利用する人がいちいち)ページを遷移しなくても、複数のサービスを見られるようにする」。これにより、トラフィックをコカ・コーラ パークに集中させる。

4月から提供が始まる「コカ・コーラ パーク」の新マイページ

 コカ・コーラ パークの会員ごとのマイページを刷新して、まず、「Twitter」と「Facebook」の機能の一部を利用できるようにする。「mixi」への対応も予定しており、その後でサイバーエージェントのブログサービス「Ameba」などとも連携していく計画だ。

 刷新後のマイページには、TwitterやFacebookに投稿するためのフォームを用意する。Twitterでフォローしているユーザーからの投稿や、Facebookの友人からの投稿を表示するコーナーなども設置する。

 両方のサービスを利用している人に対しては、それぞれのサービスの友人などの投稿が並列されて一覧できるようにする。利用者がこれらの機能を使うには、TwitterやFacebookのIDを、コカ・コーラ パークのマイページ上で登録すればよい。

 マイページの投稿フォームでは、自分が投稿したい内容を書いて、投稿先としてTwitterかFacebookのいずれか、あるいは両方をチェックボックスから選ぶ。すると、コカ・コーラ パークのマイページ上からそれぞれのサービスに投稿できる。この方法で投稿すれば、同パーク内で使える仮想通貨「パーク ゴールド」をもらえる仕組みだ。ちなみに、パーク ゴールドとは、同パークで展開しているプレゼントキャンペーンなどに参加する際に必要となるものである。

「いいね!」ボタンならぬ「ハッピーボタン」

 日本コカ・コーラが、こうした機能を提供する背景には、ソーシャルメディアの多様化がある。日本では元々mixi、「GREE」、「モバゲータウン」という3つのSNSの勢力が強かった。ところが、2009年ごろから急速にTwitter利用者が増え始め、昨年からはFacebookの利用者も急増している。これら複数のSNSを併用するユーザーも多い。

 そこで同社は、複数のソーシャルメディアを一括して利用できる環境作り、サービス提供が必要だと考えたようだ。これによって、コカ・コーラ パークへの訪問回数や滞在時間の増加が期待できる。

 さらに、「いいね!」ボタンならぬ、コカ・コーラ パークオリジナルの「ハッピーボタン」の開発を進めているという。ハッピーボタンは、コカ・コーラ パーク内のニュースなどに付けて、「○人がハッピーといっています」といった表示で、押された回数を示す予定だ。

 このハッピーボタンを「今後は、外部のニュース媒体などにも掲載してもらえるよう交渉していく」と江端氏は言う。コカ・コーラが設置したボタンを押した回数が可視化されるので、「ハッピーボタンがたくさん押されることがブランディングにつながっていく」(同氏)。

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