朝一番でお客様相談窓口に電話したがつながらない。仕方なく昼休みの時間帯にかけてみたところ、やはり混み合っている──。

 コールセンターで起こりがちなそんな課題に対し、LINEのカスタマーコネクトサービスを活用して、業務の効率化、作業の平準化に取り組んでいるのがベネッセコーポレーションだ。2017年9月から、進研ゼミ小学講座の新規顧客向け問い合わせ窓口で、LINEを用いたチャット回答サービスを開始した。

LINE画面上でAIが自動回答
LINE画面上でAIが自動回答

 同社営業基盤本部チャネル開発部デジタルマーケティング課の大西智子氏は、「日頃使い慣れている利用者が多いLINEを問い合わせの選択肢に加えることで、利便性の向上、業務の効率化、そして新規入会の増加につなげたい」と意気込む。

 進研ゼミ入会者の8割はWebを閲覧しているが、入会のルートは電話とWebがほぼ半々だという。Web経由の入会比率を高めるためには、オペレーターとの通話ではなくオンライン上で疑問を解消してもらう必要がある。自己解決を促すソリューションとして浮上したのがLINEカスタマーコネクトだった。

 従来は電話問い合わせと、Web経由の入会ルート、そしてWeb上にFAQ(よくある質問)を用意していた。そこへLINEカスタマーコネクトを導入し、AI(人工知能)による自動応答(Auto Reply)と、有人チャットサポート(Manual Reply)、携帯電話・スマートフォンの通話からLINEチャットへ誘導するCall to LINEの3つのサービスに対応した。

 例えば営業時間外や電話混雑時にコールがあった場合、「LINEでのお問い合わせをご希望の方はこのままLINEにおつなぎします」とアナウンスし、承諾を得ると電話番号からLINEアカウントを探して、チャットサポートに誘導するメッセージを進研ゼミのLINEアカウントから送信する。

 ここからはAIによる自動チャット応答が始まる。「ご質問内容をご入力ください」というメッセージに対し、「今、申し込むと教材はいつ届きますか?」などの質問を顧客が投稿すると、AIがFAQを参照して回答する。「遅くとも受付後約1週間でお届けいたします」といった具合だ。

 続いて「ご案内はお役に立ちましたか?」と尋ねて「はい」がタップされると、入会前の確認事項が書かれたページURLとともに、LINEのキャラクタースタンプを送信する。やりとりも堅苦しくなりすぎず、LINEテイストで進むのが特徴だ。

有人対応チャットへもスムーズに切り替え

 「いいえ」の場合は、オペレーターとの接続希望を尋ね、有人チャット対応に切り替える。それまでのログがオペレーターに引き継がれるので、顧客は一から質問や説明を繰り返す必要はない。顧客側の入力に一定の時間を要するため、オペレーターは顧客2人を同時進行で対応する。なお、進研ゼミLINEアカウントに表示されるリッチメニューや、スマートフォンサイト上の「LINEで質問」ボタンから、自動チャット応答や有人チャット対応に入ることも可能だ。

 ベネッセのコールセンター運営を請け負うTMJ(東京都新宿区)東日本事業本部 BenesseCC事業部第1セクション アカウントマネージャーの宮川正雄氏は、「顧客1人当たりの対応時間は電話よりやや長めになるが、2人同時に対応できるためオペレーターの生産性は電話よりも高くなる」と説明する。

 今後は、LINEで質問が可能な旨の告知を強化してLINE応対件数を増やし、オンライン上で疑問や不安を解消してWeb入会に誘導したい考え。新規入会が立て込む2~4月の業務効率化と新規入会者の獲得増を目指す。