化粧品大手のノエビアホールディングスは2015年10月19日、新たに「ノエビアグループ ショッピングモール」を開設した。これは傘下の事業会社ノエビアなどが展開しているEC(電子商取引)サイトのうち、リアル店舗と同じ商品を販売する4つのサイトと、通販専用商品だけを扱う2つのサイト、計6つのサイトを統合したものだ。

ノエビアグループ ショッピングモールの画面
ノエビアグループ ショッピングモールの画面

 6サイトの顧客IDが共通化され、どのブランドの商品でも自由に選んで購入できるようにしたほか、代金引換払いなどの決済方法も導入。顧客の利便性を高めた。これまでは卸向けの倉庫から発送していたが、通販専用の倉庫を関西エリアの業者と契約して確保。在庫を適正に管理することで、関西2府4県については当日、それ以外のエリアは最短で翌日午前中に配送できる体制を整えた。

 この結果、「例えば『excel』ブランドのECサイトで扱っていた商品については、新サイトの開設後、2週間でCVR(成約率)が0.5%改善した」(ノエビア事業開発部EC事業グループの正田拓未課長)という。さらに、あるブランドの化粧品の顧客に対して、メールマガジンなどで他のブランドの化粧品を紹介することで、売り上げ増を図る考えだ。

グループのブランディングが隠れた狙い

 6つのサイトを統合した最大の理由は、「顧客にノエビアグループの存在をもっとよく知ってほしいというブランディングのため」と正田氏は言う。

 同社はこれまで「NOV」や「REFINIST NOEVIR」「excel」といったブランドごとに、顧客とコミュニケーションを取ってきた。しかし、敏感肌向けの化粧品であるNOVブランドを利用している主に10~20代の女性は、年齢を重ねるとNOVブランドから離れてしまう。グループ内に大人の女性のためのエイジングケア化粧品としてREFINIST NOEVIRブランドを抱えているにもかかわらず、うまくつなげることができなかった。
 
 ブランドごとにバラバラだったECサイトを統合することで、サイトを訪問する顧客に対してノエビアグループをアピールし、同時に年代や効用で分かれている、その顧客が利用したことがない化粧品ブランドなども知ってもらい、「多くの顧客に、ノエビアグループの化粧品を生涯使ってもらうことを目指す」(正田氏)という。
 
 訪問販売ルートを担う販売代理店と同じ商品を販売するECサイト「NOEVIR style」だけは今回、モールに統合せず、顧客IDの共通化だけにとどめた。多くの販売代理店が、リアルの販売ルートとECサイトとを統合するオムニチャネル戦略を進めているので、そちらの戦略を優先させたほうが収益に貢献すると考えたのだ。
 
 今後は、ノエビアグループ ショッピングモールに、グループを紹介するコンテンツを、「できれば動画で」(正田氏)、できるだけ早く掲載する考え。正田氏は、「グループを紹介するコンテンツの閲覧数などをKPI(重要業績評価指標)にしていきたい」と抱負を語る。