マーケティング部門に配属になる新入社員に、あるいは異動してくる若手社員に、手始めに何を学ばせたらよいか――。王道と言えるような学習ルートがありそうでなかったマーケティング領域で、キャリアパスの一里塚となりうる検定事業が10月から始まった。日本マーケティング協会が内閣府の認定を得て開始した「マーケティング検定」だ。

マーケティング検定の概要
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マーケティング検定の概要

 すでに初級者レベルで受験制限のない3級から受験が始まっている。3級の出題範囲は、市場環境、消費者行動、製品戦略、価格戦略、コミュニケーション戦略、チャネル戦略といったマーケティングの基本領域で、試験時間は60分。設問は30問の選択式、正答率70%以上で合格となる。受験料は一般が6000円(税別)、会員企業の社員と学生は5000円(税別)。

 検定はCBT(Computer Based Testing)方式。シー・ビー・ティ・ソリューションズ(東京都千代田区)のサイトで申し込んだ後、同社が全国200カ所超に配置しているテストセンターに出向いてパソコンを使って回答する。受験日は最短3日後から3カ月先までを予約できる。

 早稲田大学の恩蔵直人教授らが執筆陣に名を連ねる『ベーシック・マーケティング 理論から実践まで』を基本テキストとし、協会から検定開始に合わせて公式問題集・解説本も出版した。他の団体が主催するマーケティングと名の付く検定試験では、商品・サービス名や時事ニュースなどが出題されるケースがあるが、当検定では基礎的な理論をベースとした出題になっている。

CBT普及が後押しに

 検定の企画などをリードした日本マーケティング協会基幹事業局検定事業部プログラムマネージャーの河野安彦氏は、「今年、協会設立60周年を迎え、マーケティングの地位向上、普及啓発に寄与する事業をスタートできた」と語る。検定の設置は長年、協会でも懸案事項となっていたが、紙ベースの試験を全国規模で展開するとなると採算が取りづらく、受験料が高額になることがネックだった。CBTの普及が検定の実現を後押しした格好だ。

 まだ始まったばかりで協会の会員各社にアナウンスしたほかは大々的な告知、宣伝はしていないものの、受験者の過半数は非会員企業の社員だという。協会主催のマーケティング研修を受講しづらい地方の企業などが関心を寄せているようだ。

 現在、来年以降スタートする2級、1級について、内容を詰めている段階。近年のデジタル活用についても、マーケティング理論の応用として出題される可能性はあるという。1級は面接も併用する予定で、保有していることがキャリア上の、また転職・再就職にあたっての力量を示すメルクマールとなるべく、検定の価値を高めていきたい考えだ。