クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス・インターナショナル(東京都杉並区)が、ソーシャルメディアを使った情報発信に力を入れている。2009年から始めたFacebookのファン数は約16万2000人、昨年10月からスタートしたTwitterのフォロワー数は約4万人に達する(9月末時点)。ちなみに同業のジェーシービー(JCB)はFacebookのファン数が約11万4000、公式Twitterのフォロワー数は3万人強となっている。

 アメックスは、FacebookとTwitterを使い分ける体制がしっかりできており、かつそれぞれの特性を生かすべく、工夫をしている。

法人対象セミナー「AMEX INSIGHT business forum」の模様をリアルタイムでTwitterに投稿した
法人対象セミナー「AMEX INSIGHT business forum」の模様をリアルタイムでTwitterに投稿した

 Facebookでは、アメックスのカードを使うことによるユーザー自身の体験やユーザーのライフスタイルを、画像などを使って、できるだけ具体的に見せるようにしている。例えば、アメックス会員になると体験できる旅や大自然をイメージした素材の紹介などに加え、アメックス会員限定で開催したイベントの模様、ビジネス目的でカードを活用する法人企業向けのセミナーの模様などを投稿している。

 ソーシャルメディアによる情報発信を担う同社広報部の中崎聡志課長は、「公式Facebookでは、アメックスのカードを保有したときにユーザーが体験できる事柄をすべて見せ、カード会員はもちろん非会員であっても楽しんでもらうようにしている」と語る。ユーザーが何を体験できるか丁寧に伝えることでアメックスカードのブランド価値を伝え、ファンになってもらうのが狙いだ。

 一方、1日2回投稿するというTwitterでは、リアルタイムに求められる情報の提供とサービスの紹介に徹している。例えば、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー・パート2」で、マイケル・J・フォックス演じる主人公のマーティがタイムトリップしたという設定の2015年10月21日には、「あなたも『旅』を計画しては」と呼びかけた。また、カード保有者だけが申し込めるチケット発売情報なども投稿している。12月に催される森高千里さんのコンサートのチケット発売情報を投稿した際には、Twitterからアメックスのチケット予約サイトに流入するユーザーの数が、通常の約5倍になったという。

 Facebookについては、「いいね!」の数やシェアの数、コメントの数と、これらの合計をフォロワー数で割った「反応率」をKPI(重要業績評価指標)に設定。Twitterでは、ユーザーによる投稿の表示回数(インプレッション)を軸に、そこにリツイートされた数などを加味してKPIにしている。「世界中のアメックスの中で、日本市場のFacebookのKPI(の達成度)はトップクラス。Twitterも、日本のカード業界全体の中でよい数値を上げている」(中崎氏)という。

今後は動画の投稿に積極的に取り組む

 当面は現状の2本立てを変えずに、既に始めている動画の投稿をさらに積極化する腹づもり。アメックスのブランド価値を訴えるうえで動画の果たす役割が大きいと考えているからだ。「米の女優ナタリー・ポートマンのインタビューなど、米国本社が制作した動画コンテンツは日本で制作できないようなものが多い。そうしたコンテンツを見られるのが、アメックスのソーシャルメディアの強みになる」と中崎氏は言う。

 また近い将来、米国で既に取り組み始めているInstagramも、日本での新たなソーシャルメディアの選択肢になる可能性が高い。これまでFacebookやTwitterで発信している画像は、Instagramでもピタリとはまる可能性が高いからだ。