中古車売買を主力とするIDOM(旧ガリバーインターナショナル)が、マーケティングオートメーション(MA)ツールの活用を始めた。MAツールを使うことで、来店した後にクルマを買わずに帰った見込み客に、電子メールなどを用いて後追いでアプローチする。そして、再度商談に持ちこんだ場合に成約する確率の高そうな見込み客を選び、最後に営業担当者が直接電話をかけて来店と購入を強く働きかける。そうすることで成約率の向上を目指している。

 IDOMの取り組みの特徴は、最後に営業担当者が直接見込み客に電話をかけることだ。これは、「見込み客を再度来店させるには、リアル店の営業担当者が直接電話するのが最も効果的」(IDOM Gulliverマーケティングチームの中澤伸也チームリーダー)と考えているから。クルマを買わずに帰った見込み客の購買意欲が続くのは平均して3週間。しかし、この間に営業担当者が見込み客全員に電話するのは負担が大きく、その割に高い効果が見込めなかった。そこでMAツールの活用に取り組んだ。

メルマガ個店配信を実施

 昨年12月に米マルケト製ツールの採用を決めてプロジェクトをスタート。今年4月から、買わずに帰った見込み客に、クルマの新着情報を中心としたメールマガジンを配信し始めた。その際、本社からの一斉配信ではなく、見込み客が来店したリアル店から配信される体裁にした。「開封率やクリック率が上がるし、再度の来店を働きかけたときもスムーズに進む」(中澤氏)と考えてのことだ。

IDOMが各店ごとに、いったん離脱した見込み客に発信した後追いメール
IDOMが各店ごとに、いったん離脱した見込み客に発信した後追いメール

 そうして見込み客が来店してメールアドレスを登録した日を基準に、最初の2週間は毎日、その後は週2通ずつ、メルマガを配信。その後のメルマガ開封率やURLのクリック率といった反応を見ながら、再度商談を働きかけるにはどんな見込み客が有望かを分析した。

 これらの取り組みを経て、今年10月からはシナリオに基づくメール配信を始めた。クルマを買わずに帰った見込み客に対して、最初の2週間の間に、クルマの新着情報を知らせるメルマガに加え、再度の来店とクルマの購入を働きかけるメールを別に配信する。そして、このメールに高い反応を示した見込み客には、リアル店の営業担当者が直接電話する。

 一方、反応が芳しくなかった見込み客には、2カ月後に再度の来店とクルマの購入を働きかけるメールを配信するようにした。これは、「分析によって、メールアドレスを登録してから約2カ月後に、メルマガの開封率などが上がると分かった」(中澤氏)から。このメールに高い反応を示した見込み客に対しても、リアル店の営業担当者が直接電話する。

 「再度の来店とクルマの購入を働きかけるメールや、営業担当者による電話への反応を見ながら、PDCAを回してチューニングすることで、来年2月中旬には、例えば来店客の成約率の3%向上など、何らかの成果を達成できる」と中澤氏は語る。

 今後は、マルケト専任担当者が1人しかいないなど、デジタルマーケティング担当者の人材不足という状況を早期に克服。リアル店舗でのメールアドレス登録の割合を引き上げながら、クルマを買わずに帰った見込み客の後追い以外の領域にも、MAツールを活用していく考えだ。

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