ウエアラブルカメラ大手の米GoProが、約2年ぶりとなる本格的な新製品「HERO5 カメラ」などを、9月下旬から10月上旬にかけて米国や日本で相次いで発売した。タッチパネルの操作をシンプルにしたほか、撮影した動画などを自動でアップロードし、ユーザーが携帯電話やパソコンから編集や共有できるクラウドサービス「GoPro PLUS」も開始した。
サイクリングやラフティングなど野外でスポーツを楽しむ様子を撮影する“アクティブ”ユーザーに加え、「これまでGoPRoになじみが薄かった、子どもや家族とのかかわりを撮影する普通の人たちにも、顧客層を広げる」(米GoProコーポレートコミュニケーション担当シニア・バイス・プレジデントのジェフ・ブラウン氏)ことを狙う。そのため、「顧客体験を創り出すコンテンツマーケティング」(ブラウン氏)に、改めて注力する考えだ。

GoProはこれまで、同社の製品で撮影したエキサイティングな映像をコンテンツとして表示し、興味を持った消費者に製品を購入してもらうコンテンツマーケティングを展開。消費者向けウエアラブルカメラ市場を順調に開拓してきた。
同社スタッフがサイクリングなどを楽しむ様子を撮影した動画に加え、ユーザー自身がGoProで撮影し、YouTubeに投稿した動画なども専用サイトにアップしている。公式Twitterなどにも動画の一部を載せ、幅広い消費者に同社のカメラで撮った動画の素晴らしさを知ってもらい、投稿を呼びかけることでGoPro製品の購入につなげてきた。
こうした取り組みでGoPro製品による動画が増え、「2015年だけで、それ以前の4年間にアップされた累計数を上回る」(ブラウン氏)ほどで、現在は、1日約1万5000本が投稿されているという。
賞金総額500万ドルのAWARDも開始
GoProは昨年10月、ユーザーが投稿した動画や写真の中から、優れた作品を表彰する「GoPro AWARD」も開始。年間で総額500万ドル(約5億円)の賞金を用意して多数の作品を毎日表彰するなどして、さらに投稿を増やそうとしている。
今回の新製品の発売時にも、「家族を自慢しましょう」というキャッチフレーズでAWARD応募サイトやTwitterで動画投稿を呼びかけている。そして、YouTubeなどの投稿動画のうち、子どもや家族の動画を、現状の3倍にすることを目指す。