楽天証券は7月31日、同社初のオウンドメディア「トウシル」をオープンした。キャッチフレーズは「お金と投資をもっと身近に」。マーケット情報から初心者ママ投資家のインタビューまで、お金にまつわる記事や投資情報を幅広く発信している。

楽天証券のマネー情報メディア「トウシル」
楽天証券のマネー情報メディア「トウシル」
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 もちろんこれまでも、市況レポートやアナリストコラムなど投資家向けの情報は、楽天証券サイトの「マーケット情報」カテゴリーで発信してきた。2014年2月から毎平日の朝8時に掲載している楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト窪田真之氏の「3分でわかる!今日の投資戦略」はその代表的な連載だ。同研究所客員研究員の山崎元氏の「ホンネの投資教室」も、月2回ペースの連載でこの夏300回を超えた長寿コラムである。

サイト改善から始まった

 ただし記事が増えるにつれ、課題も生まれた。例えば、iDeCo(積立投資個人型確定拠出年金)の記事は他にも掲載されているのに、動線がないためなかなか読まれない。投資信託委託会社のレポート記事は、マーケット情報ではなく投資信託のコーナーにあって気づかれにくい、といった具合だ。そこで、記事コンテンツは一カ所に集約する、記事末尾にキーワードをタグ付けして、関連記事にアクセスしやすくする、などの改善に乗り出した。

 こうした改善の過程で浮かんだのが、そもそも記事コンテンツのラインアップは現状のままでよいかどうかという問いだった。NISA(少額投資非課税制度)やiDeCoの登場で厚みを増している投資初心者を取り込んでいくには、投資リテラシーの高い層が判断材料にするような市況レポートや、買いタイミングを示す指標解説のような教育コンテンツのみならず、投資初心者の目線に立った分かりやすい自分ゴトとして感じられる記事が求められる。サイト改善をきっかけにコンテンツの見直しに踏み込んでリニューアルしたのが「トウシル」というわけだ。

 新生トウシルらしい記事として、「みんなはどうしてる?ママ投資家を取材」がある。8歳の小学生を持つ母親で自営業のかたわら投資家の顔も持つ女性が、どんなタイムスケジュールで仕事、家事、投資をこなしているのか、その時間管理の極意や損失150万円からの復活エピソードなどを語ってもらうインタビュー記事だ。この他、お盆前には「おやこで社会見学」と題して、日銀の貨幣博物館を親子で訪ねたレポートも掲載した。

 トウシルで編集長役を担う同社マーケティング本部カスタマーエクスペリエンス部リーダーの武田成央氏は、「読者と等身大の投資家モデルに登場してもらうことで、投資を身近なもの、親しみやすいものにしていきたい」と話す。武田氏は紙のマネー情報誌からの転職組で、前職での企画力を発揮している。開始から1カ月あまり、人気記事ランキングでは「10万円以下で買える株」など初級者向け記事が上位に並び、出足は狙い通り推移している。

 楽天証券の口座開設者のうち希望者にはメルマガで記事を配信している。今後、ニュースサイト・アプリへの記事提供も検討するなど、記事の露出を増やすことで、口座開設にもつなげたい考えだ。