ユニリーバ・ジャパンが、「LUX(ラックス)」のサブブランド「ルミニーク」を訴求するため、インフルエンサーを起用した動画をライブ配信。ルミニークのターゲットである「多忙な女性」へのブランドの浸透で、成果を上げている。
具体的には、「LUXルミニーク#バスタイムトーク」という特設のTwitterアカウントを用意し、Twitter上で動画をライブ配信できる機能「ペリスコープ」を使って、今年3月から6月まで毎月1回、毎回異なる女性インフルエンサー2人を起用した約30分の動画を配信した。すると、この4種類の動画はライブ配信の時間内にすべてが再生回数100万回を超えるほど評判を呼んだ。
そのため4つの動画を再編集した短縮版を特設サイトに掲載した上で、ネット広告を展開してターゲット層を同サイトに誘導。短縮版の再生も増やした。こうした成果が出ていることからユニリーバは8月から、早くも第2シーズンを始めている。
インフルエンサーの素を見せる
成功のポイントは2つある。1つはSNS上でフォロワーを多く持つインフルエンサーを起用したこと。もう1つは動画をライブ配信する場にTwitterを選んだことだ。
実はルミニークは今年2月、製品ラインアップをリニューアルし、「ターゲットである多忙な女性に、ルミニークを使ってリラックスしてもらう」(ユニリーバ・ジャパン・サービスマーケティング ―ホーム&パーソナルケア アシスタント ブランド マネージャー ラックス ヘアの板倉拓摩氏)というコンセプトを明確に打ち出した。
それを受けて考えたのが、ターゲット層に合致するフォロワーを持つ女性インフルエンサーを起用し、風呂上がりの設定で、ルミニークの商品を使いながらリラックスして語り合う姿を動画でライブ配信し、ターゲット層に親近感を持ってもらうという作戦だった。これが当たった。
インフルエンサーの活用法を変えたことも奏功した。今回はあえて、ルミニークを使用する動画を、インフルエンサー自身のアカウントから発信してもらう形を採らず、バスタイムトークという場を設定し、インフルエンサー2人に“出演”してもらった。そしてユニリーバから、大きなテーマは示すが、トークの内容はインフルエンサーに任せた。そのほうが「フォロワーの方々が見たいと思っているインフルエンサーの素の姿を見せられ、視聴回数も増え、ルミニークに好印象を持ってもらえると考えた」(板倉氏)からだ。
ライブ配信の場としてTwitterを選んだのもプラスに働いた。多くのフォロワーにリーチしやすかっただけでなく、「フォロワー経由で情報を広く拡散できたし、その後の広告展開も簡単に進めることができた」(板倉氏)という。
この動画施策でルミニーク商品の売れ行きが今春以降伸びており、「市場シェアを拡大できた」(板倉氏)。ユニリーバは今年末まで、この「LUXルミニーク#バスタイムトーク」の取り組みを継続する考えだ。