エキサイトが運営する10~20代女性向け情報メディア「ローリエプレス」が、急成長している。昨年12月にスマートフォン向けアプリを投入し、Webサイトと合わせて展開したところ、8月末時点でアプリのダウンロード数が50万と急増。Webサイトの月間PV(ページビュー)も3600万に達し、若い女性向けメディアとして一定の地位を獲得した。

アプリ版「ローリエプレス」
アプリ版「ローリエプレス」

 情報サイト「エキサイト」の女性向けカテゴリーとして運営していたが、昨年7月、「自分磨きを頑張りたい女子を応援するメディア」(エキサイトメディアサービス部ニュースメディアセクションの遠藤優華子ローリエプレス編集長)として、エキサイトからドメインを切り離し独立した。

 人気上昇を支えているのが、インフルエンサーを活用した展開だ。ライターを常時50~60人使っているが、インフルエンサーも積極的に記事の書き手として登用してきた。記事執筆に加え、自らのSNSアカウントからローリエプレス関連情報を発信してもらい、広く拡散を図るように仕向けている。

 インフルエンサー登用には2つの条件を設けている。1つは、ネイルや化粧品など女性が自分磨きをする分野で、コラムを書けるだけの専門知識を持つこと。もう1つは「これがかわいい」というローリエプレスの世界観にマッチしていることだ。「多くのフォロワーがいても、2つの条件をクリアしていないインフルエンサーには、記事執筆などを頼まない」(遠藤氏)ことで、ローリエプレスの記事の質と世界観を守っている。

「ローリエガールズ」もスタート

 インフルエンサーの活用は記事の執筆にとどまらない。ローリエプレスとして独立後、リアルのイベントとの連動を積極的に仕掛けるようになった。ヘアメークアーティストとインフルエンサーを招いてのメークレッスンイベントや、広告主とのコラボレーションイベントなどを定期的に開催。他のインフルエンサーやローリエプレスの読者を招き、イベントの模様を情報として、ローリエプレスとインフルエンサー自身のSNSアカウントから発信している。

トリンプ・インターナショナル・ジャパンのブランド「アモスタイル バイ トリンプ」とコラボしたイベントにはインフルエンサー約150人、読者約150人が参加した
トリンプ・インターナショナル・ジャパンのブランド「アモスタイル バイ トリンプ」とコラボしたイベントにはインフルエンサー約150人、読者約150人が参加した

 今年4月には「ローリエガールズ」という制度も始めた。SNSを積極的に活用する読者を対象に、400人ほどの応募者から約100人を選抜。イベント参加やアンケートへの協力、企業との商品開発への参画など、さまざまなシーンで活躍してもらい、自らのSNSアカウントから情報を発信してもらう。「コンテンツを一緒に盛り上げ、ローリエプレスの活動を広く拡散していく」(遠藤氏)のが狙いだ。インフルエンサー予備軍を新たに育てる狙いもある。

 オリジナルの記事を積み重ねて「こんな女性がかわいい」という独自の世界観を打ち出し、インフルエンサーを軸に読者との交流を深めて情報発信を促すローリエプレスの手法は、オウンドメディアを展開する企業にも、大いに参考になるはずだ。

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