夏場に来訪されるお客様に出すお茶は、すっきりした喉ごしで清々しい香りがいい──。
こうした気遣いができる人でも、さまざまな緑茶ブランドの中から条件にズバリ合う商品をピックアップするのは簡単なことではない。
味や香りのような曖昧な条件を希望通り簡単に注文できるようにしたのが、コクヨグループでオフィス用品通販を運営するカウネット(東京都大田区)だ。EC(電子商取引)サイトを8月17日にリニューアルし、独自の指標やイラストを多用して視覚的、感覚的に選択、注文できる仕組みを実装した。
味覚を数値化してデータベースに
緑茶ペットボトルの場合、コクと香りで分類した味わいチャートを表示する。横軸にコク(スッキリ~コクが強い)、縦軸に香り(香ばしい~清々しい)を取り、お茶の専門家を招聘して同社社員が実際に試飲し、味わいを数値化していった。
ユーザーは、「スッキリ&清々しい」が希望であれば、その度合いが高い「生茶」を選ぶもよし、左下枠(第3象限)をクリックしてそこに属するお茶一覧の中から選ぶもよし。商品単位で味わいを採点してデータベース化しているため、コクと香りのインジケーターをスライドさせて商品を絞り込むこともできる。
また、スティックのりでは固さを「かため」「ふつう」「やわらかめ」で3分類。これを各商品ページにタグ付けし、薄く均一に塗るなら「かため」、広い面を塗るなら「やわらかめ」が向くことを表示して選びやすくした。食器用洗剤でも、「タンパク汚れ」「油汚れ」「泡立ち」をそれぞれ5段階評価し、洗浄力と泡立ちの希望に応じて絞り込めるようにした。
一方、ビジュアルを強化して選びやすくした商品もある。その代表が封筒だ。「角2」「長3」「長40」といった封筒スペック表記だけで、必要な封筒を購入できる人はそう多くない。ここではイラストを採用し、角2はA4判冊子、長3はA4用紙三ツ折、長40はA4用紙四ツ折が入ることをイラストで示した。
同社企画本部WEB企画部部長の折立かおり氏は、「グループインタビューで利用者の声を聞いて改良に努めている。数値化やイラストで、求めていた商品にストレスなくたどり着きやすくなった」と説明する。利用者は競合の「アスクル」や「たのめーる」と併用するケースが多いため、使い勝手でリードすることで利用頻度を高めたい考えだ。