アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」を運営するディップは8月27日、同Webサイトおよびアプリのデザイン・機能をリニューアルした。姉妹サイトの正社員・契約社員求人情報サイト「バイトルNEXT」も同時に刷新している。

バイトルは、47万件を超えるアルバイト情報を掲載している国内有数の求人情報サイト。リクルートジョブズの「タウンワーク」「フロムエー」、パーソナルキャリア(旧学生援護会、インテリジェンス)の「an(アン)」、エン・ジャパンの「エンバイト」「エン派遣」、マイナビの「マイナビバイト」など認知度の高い有数のサイトがひしめく激戦区で、バイトルは売り上げ規模トップのタウンワークを追う2番手に付けている。同社メディアプロデュース統括部統括部長の笠松利旭氏は、「今回のリニューアルはまだ第一弾。2020年にナンバーワンを目指す」と目標を掲げる。
リニューアルの目玉は、「仲間で探す」検索機能の追加と、「職場環境バロメーター」表示の追加だ。
アルバイト求人情報サイトでは通常、働きたいエリアと職種を選び、週に働く日数や就業時間、時間帯、土日勤務の有無、シフト制など、希望に応じて細かい条件を指定して検索する。今回追加した「仲間で探す」機能は、多い年齢層(10~50代)、男女の割合(男性が多め、女性が多め、半々ぐらい)、仕事の仕方(一人で、大勢で、どちらとも言えない)、職場の様子(静か、にぎやか、どちらともいえない)の4項目について選択肢を提示し、希望する職場環境にチェックを入れて検索してもらうものだ。
10項目で職場環境を示す
求人企業側はこの4項目に加え、業務外の交流が多いか少ないか、個性が活かせるか協調性が求められるか、デスクワークか立ち仕事か、お客様との対話が多いか少ないか、力仕事が多いか少ないか、知識・経験が必要か不要かの6項目についても、求人情報を提示する際に選択する。この計10項目を「職場環境バロメーター」として各求人情報ページに掲載を始めた。「仲間で探す」機能を使わずに検索したユーザーも、このバロメーターを見ることで、自己イメージとのズレの有無を、申し込み前に把握できる。

こうした機能を追加したのは、人手不足にもかかわらず短期間で辞めていくアルバイトが後を絶たないためだ。「就業3カ月以内で辞めるアルバイトが全年代で25%。若者層は4割弱に上る」(笠松氏)。理由としては、「イメージと違った」などマッチングのズレが3割を超えている。エリアや職種などと違って職場環境・雰囲気は曖昧さのある概念だが、自社の職場環境をスライドバー上から選ぶ形にしたことで、求人企業側にさほどの負荷をかけずに導入することができた。既に6割以上の求人企業がバロメーターを設定しているという。
バイトルのリニューアルは2012年10月以来、実に5年ぶり。前回は、類似案件のレコメンド機能や、検索履歴の表示などを導入した。近年のアルバイト求人情報サイトは、それまで力を注いでいた使いやすさ・探しやすさについての改善が一巡し、「激レアバイト」(タウンワーク)、「超バイト」(an)など、一風変わったアルバイトの紹介で若者を振り向かせるプロモーションに力を入れているように映る。バイトルも今春、「ドリームバイト」と称して、イメージキャラクターに起用している乃木坂46のCM記者発表会のサポートスタッフを募集していた。同社の場合、こうした最近の流れも取り入れつつ、探しやすさの追究にも取り組んできた成果が、今回のリニューアルと言える。
オフィス文具EC(電子商取引)サイトでも、2年前に「カウネット」がお茶飲料をコクと香りのマッピング図から選べるようにするなど、探しやすさの改善は求人情報に限った話ではない。バイトルのリニューアルが成功すれば、自社サイト・サービスの検索項目や手順が本当にユーザーフレンドリーなのか、問い直すきっかけになりそうだ。