星野リゾート(長野県軽井沢町)は自社サイトでの宿泊予約と同時に、施設近くで楽しむアウトドア・レジャーのネット予約を可能にした。まず「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」に導入し、現在は「星野リゾート 青森屋」「星野リゾート 界 加賀」など合計11施設でサービスを提供している。今後、さらに他の施設でも展開していく方針だ。

 最初にレジャー予約サービスを導入したリゾナーレ八ヶ岳は、ワインの産地として名高い山梨と長野の県境に位置する。冬はスキー、夏には渓谷でのトレッキングという具合に多彩なレジャーを楽しめる。こうしたレジャーを目的とした宿泊客も多く、「宿泊客の獲得や、リピート利用を促すうえで、レジャー予約は特に重要な要素になっていた」(グループマーケティング統括リゾナーレマーケティングユニットディレクターの嶋田泰也氏)。

「八ヶ岳ワイナリー散歩」など、地域ならではのアウトドア・レジャーも用意する
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「八ヶ岳ワイナリー散歩」など、地域ならではのアウトドア・レジャーも用意する

 リゾナーレ八ヶ岳の宿泊予約は9割がサイト経由だが、これまでレジャー予約はサイトからできず、宿泊客が同ホテルに予約の仲介を依頼したり、宿泊客が自らレジャー事業者に電話をして予約をする必要があった。手間がかかり、宿泊客にとって不便なだけでなく、希望するレジャーの予約が取れなかった場合に、それが原因で、宿泊予約も再検討されてしまうなど、機会損失にもつながっていた。

 また、宿泊予約とレジャー予約の情報が一元管理できていなかったため、管理業務が複雑化。宿泊はキャンセルしたが、レジャー予約はキャンセルされないまま、というケースもあったという。こうした課題を解決するために、アウトドア・レジャーの予約サイトを運営しているそとあそび(東京都品川区)のシステムとホテル側の予約システムとを連携させた。

システム連携で予約情報を一元化

 そとあそびは、パラグライダーやラフティング、乗馬、スキューバダイビングといったレジャーの予約サイト「そとあそび」を運営している。40ジャンル、3000プランが掲載されており、利用者はジャンルや地域などから好みのレジャーを探して予約できる。こうした消費者向けサービスを提供する一方で、レジャー事業者向けには予約台帳システム「ウラカタ」を提供している。事業者が電話やWebで受け付けた予約情報を一元管理するツールだ。事業者は予約可能な日程や在庫情報を登録することで、Webからの予約の受け付けが可能になり、同時に在庫管理も簡単になる。

 星野リゾートはこのウラカタを活用した。リゾナーレ八ヶ岳と取り引きのあるレジャー事業者に、ウラカタへ在庫情報を登録してもらう。この在庫情報を、リゾナーレ八ヶ岳のWebサイト上の「アクティビティ」のページに掲載する。宿泊客はアクティビティのページにあるカレンダーから、宿泊日時を指定すると予約可能なレジャー一覧が表示されるので、好みのレジャーを選んで予約できる。

 ウラカタ導入に併せて、予約システムと既存の会員システムとを連携。宿泊客は星野リゾートの会員IDでレジャー予約が可能になった。宿泊予約をキャンセルすると、レジャーの予約もキャンセルされる仕組みも開発した。

 データの一元管理は施設内での接客にも効果を発揮する。従来は、宿泊客がどんなレジャーを予約・利用しているのか、ホテル側では把握できなかった。現在は、過去に遡って把握できるため、「フロントで宿泊客に、これまで利用したレジャーに関連したサービスを案内して利用を促すといった接客が可能になった」(嶋田氏)。

スキー教室「雪ッズ70」など、段階的に学べるアウトドア・レジャーの提案に予約データを活用する
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スキー教室「雪ッズ70」など、段階的に学べるアウトドア・レジャーの提案に予約データを活用する

 段階的に学べるアウトドア・レジャーの提案はその好例だ。星野リゾートは今冬、70のステップでスキーを学ぶ子供向けのスキー教室「雪ッズ70」をリゾナーレ八ヶ岳と「星野リゾート アルツ磐梯」で提供する。このスキー教室でステップ30まで進んだ顧客が、次に宿泊予約をした時に次のステップの利用を促すといった具合だ。予約の煩わしさを解消したことで、「アウトドア・レジャーの予約が増加。売り上げが実際に増えている」と嶋田氏は言う。宿泊だけでなく、周辺での遊びも含めて総合的に提案して宿泊客の満足度を高める。そうして、リピート利用の拡大に結びつけていきたい考えだ。