日経BP社主催の国内最大級のデジタルマーケティング関連イベント「D3 WEEK 2016」。「デジタル×データ×デザインの未来」をテーマに、東京・六本木ヒルズ(六本木アカデミーヒルズ)を会場に、7月25日から29日まで、およそ100の講演やパネルディスカッションを実施した。その中からデジタルマーケティング関連の講演などを選りすぐってお届けしていく。

 7月26日に登壇したパナソニックのコンシューマー マーケティングジャパン本部 クラブパナソニック運営部 部長の中村愼一氏は、同社の会員サイト「CLUB Panasonic」のCRM(顧客関係管理)戦略と、2016年秋から開始する予定の新規メディア事業を紹介した。

 会員数850万を擁し、月間ページビュー(PV)2億2000万規模の「CLUB Panasonic」は、日本の企業サイトとしては最大規模を誇る。同サイトの役割について中村氏は、「お客様満足度を最大化してロイヤル顧客になってもらい、増販に結びつけるもの」だと説明する。商品認知を目的としたコンテンツや、製品購入者に対するサポート情報だけでなく、会員限定の体験型イベントや、商品のレンタル(試用)を企画するなど、ロイヤル顧客化を図る施策を強化している。

パナソニック コンシューマー マーケティングジャパン本部 クラブパナソニック運営部 部長の中村愼一氏
パナソニック コンシューマー マーケティングジャパン本部 クラブパナソニック運営部 部長の中村愼一氏

 「CLUB Panasonic」では2015年にポイントモールを開設し、換金性の高い「CLUB Panasonicコイン」の提供を開始した。「1コイン=1円分」としてためられる。パナソニックの対象商品の購入やキャンペーンへの応募だけでなく、ポイントモール内で提携企業の商品を購入したり、アンケートに答えたりするとコインが加算される。ためたコインは電子マネーの「楽天Edy」や「nanaco」、「Suica」などに交換できる仕組みだ。

 中村氏は、「(換金性の高い)コインの導入で、既存の商品販促施策が効率化できた。商品購入でのキャッシュバックキャンペーンは、購入に応じて商品券などをプレゼントしていたが、事務局費用や配送コスト、為替手数料や準備期間が必要だった。コインの導入で、そうした費用を大幅に削減できた」と語る。

イベントでもコインを活用する方針

 また、O2O(オンラインtoオフライン)の施策や商品体感イベントでの「CLUB Panasonic」新規入会の特典として、コインを活用する方針であるという。例えば、「CLUB Panasonic」のスマートフォン向けアプリをリニューアルして新規会員登録の仕組みを簡素化し、コインをためやすくした。これにより、商品体感イベントでのアプリ会員の獲得が期待できる。中村氏は「こうした施策はコインの流通量を増やし、会員の活性化につながる」と説明する。

 さらに今後は、他業界の企業から広告収入を得る形で、広告事業を展開する予定だ。会員の活性化は「CLUB Panasonic」の広告媒体としての価値向上に直結する。「CLUB Panasonic」は高年齢で高所得の会員が多く、製品の購買情報などから会員の嗜好性やライフスタイルをセグメントできる。こうしたデータを基に、郵送DMや電子メール、タイアップ、アフィリエイトなどを使い、ターゲティング広告を展開していくという。

■修正履歴
「CLUB Panasonicコイン」の説明で、事務局費用などが発生するのはキャッシュバックキャンペーンなどでした。また、アプリ会員の獲得を期待しているのは自社イベントでした。該当する文章を修正しました。[2016/8/26 15:30]