楽天はスマートフォン向けのクレジットカード決済端末「楽天スマートペイ」加盟店の開拓に、Facebook広告の新たなサービスを導入した。成果を見ながら随時クリエイティブに手を加えるなど、きめ細やかな運用を実施。その結果、見込み客の獲得数は従来のFacebook広告と比べて47%増加した。また、プラットフォームが異なるため単純比較はできないが、DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)経由で出稿した広告と比較した場合の見込み客の獲得単価は4分の1になり、大幅に減少させることに成功した。

 楽天スマートペイはスマートフォンを利用した決済サービス。スマートフォンと専用のカードリーダーをBluetoothで接続し、スマートフォンをクレジットカードの決済端末として利用できる。コンパクトな端末、初期費用や月額費用を必要としない料金体系、翌日入金の支払いサイクルといったサービスを用意し、クレジットカードを導入しづらかった中小店舗への導入を目指している。

 こうしたBtoB(企業向け)事業では、まずは広告から自社サイトに誘導し、資料請求などをフックに見込み客を集め、その後に直接コンタクトを取って利用につなげる手法が王道だ。楽天もそうした手法に取り組んできたが、「資料のダウンロードで獲得した見込み客には、既存顧客も多く含まれる」(スマートペイ事業営業オペレーショングループの宇佐美ひかり氏)という課題を抱えていた。

ボタンの表記で転換率が高まる

 この課題を解決しつつ、獲得効率向上のために楽天が活用したのが、Facebookのリード広告だ。リード広告は、広告上にメールアドレスなどの連絡先を入力するフォームを示して資料請求の申し込みなどを促せる。サイトの遷移は不要な上、利用者が既にFacebook上にメールアドレスなどを登録済みの場合は自動的に入力されるため、登録のハードルは大きく下がる。また自社サイト内にFacebook広告の測定用タグを埋め込むことで、申し込み済みの客をリターゲティング広告の配信対象から除き、広告の無駄打ちも減らせる。

 ターゲティングメニューはリターゲティングのほか、獲得した見込み客と近しい層などに配信する。とはいえ、配信先を店舗オーナーだけに絞り込むのは難しく、ある程度、割り切りながら、広告クリエイティブ内にサービスの概要を明記することで、関心のある人にだけクリックしてもらうことを心がけている。

 広告配信後も逐一、効果を見ながら、より最適な形を目指してクリエイティブを調整する。「例えば、決済手数料は広告内で開示した方がCVR(コンバージョン率)が高くなる。また、クリックを促すボタンは『登録する』という表記の方が、見込み客から実際の顧客への転換率が高い」(宇佐美氏)など、細やかな運用を施した。その結果、見込み客の獲得数を大きく向上させた。今後は同じプラットフォームで出稿できる利点を生かし、Instagramの広告との連携にも取り組んでいく考えだ。