今年4月1日、卒業生のつんく♂さんがプロデュースする恒例の“ド派手”な近畿大学入学式が開かれている最中、近大WebサイトはトップページがGoogleに乗っ取られたかのように検索窓だけが配置されたシンプルなデザインになっていた。検索窓の上には、Googleカラーに彩られた「Kingle」の文字──。

4月1日、近畿大学トップページが突如、Googleを模した「Kingle」に
4月1日、近畿大学トップページが突如、Googleを模した「Kingle」に
エイプリルフールのネタではなく、翌日以降も検索窓を配置してキーワード検索を促している
エイプリルフールのネタではなく、翌日以降も検索窓を配置してキーワード検索を促している

 近畿大学といえば、水産研究所の養殖マグロを前面に押し出してメディア露出を高めるなど、PR力には定評がある。今年の正月は「早慶近」と打った新聞広告が話題になった。そんな近大だけに、「検索エンジン『Kingle』、始めました」というエイプリルフールネタを仕込んだのだろうと思われていた。

 だが4月2日以降も、Kingleの名こそ「KINDAI UNIVERSITY」に替わったものの、検索窓だけ置かれたレイアウトは変わらなかった。「KINDAI クラシックサイト」へのリンクをタップすれば3月までのデザインのサイトに飛び、情報も更新されているが、どうなっているのか。

 近大総務部広報室の江川丈晴氏は、「10月のサイトリニューアルに向けて、来訪者の情報ニーズを観察している」と説明する。

 近大は14学部48学科を擁するマンモス大学だ。本部がある東大阪のほか、奈良に農学部、和歌山に生物理工学部、広島に工学部、福岡に産業理工学部とキャンパスが点在している。学部のWebサイトができた時期がまちまちで、地方キャンパスのサイトは現地主導で制作していたため、ページデザインやスマートフォン対応の統一感のほか、制作環境やシステムの不一致がコスト面からも課題になっていたという。広報室の管轄の下でそれらを統一する。

検索主体のサイトに刷新

 もう一つの課題が、増え続ける一方のコンテンツの中から、来訪者が求める情報にアクセスしてもらうための改善だ。トップページに検索窓を置いてキーワード検索を促し、来訪者のニーズを把握して、目的のページが検索結果上位に示され、情報にたどり着けているか調べている。

 現在リサーチ中だが、来訪目的が明確で専門性の高い情報を求める人は、早々にキーワード検索から該当ページに飛んでいく。ナビゲーションメニューを細分化しても、それをたどる探し方は一般的ではない。そこでリニューアル後は、メニューをシンプルにするほか、スマホ・パソコン画面上でスクロールしても虫眼鏡ボタンは常時表示されてすぐにキーワード入力ができるよう、検索主体のサイトに刷新する。

 トップページ上部で動画像が切り替わるスライドショーについても、他大でよく見かけるキャンパス風景ではなく、貴重なブランディングの場として、アピールする素材を厳選して掲載していく。ニュース性の高い情報は、メディアが報じた近大関連ニュースのまとめサイト「KindaiPicks」をトップページに配置することで対応する。情報量が豊富な大企業サイトにも参考になる刷新事例になりそうだ。

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